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2009年12月 Archive

定期テスト

  • Posted by: furutani
  • 2009年12月20日 22:58
  • その他

関西大学、知的財産権法の定期テストの問題を作成しました。毎年、その場で、思考して解答を作成できるような問題を目指して作っています。今年で4年目なので、ネタがないと1週間前まで悩んでいたのですが、不思議に直前になっていいアイディアが浮かびました。

他大学の学生にモニタで解いてもらって、時間調整をして完成です。学生のみんなが、どのような答案を書いてくるか、今から楽しみです

新規性喪失の例外

  • Posted by: furutani
  • 2009年12月18日 12:38
  • 特許

本日の用語は、「新規性喪失の例外」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%90V%8bK%90%ab%91r%8e%b8%82%cc%97%e1%8aO

出願前に、世の中に知られている発明は、新規性がなく特許を取得することができません。発明者本人が、出願前に発表した場合であっても、原則として新規性がないとして特許を取得できません。

しかし、本人が発表した場合まで、絶対、特許をあげないというのは、かわいそうであるので、「新規性喪失の例外」が規定されています。

本人が発表してから、6月以内に出願すれば、新規性を失わなかったものとする扱いが、特許法に規定されています。それならば、どんどん発表\\して、市場の反応を見てから、良さそうな発明だけ特許出願しようと考える方がいるかもしれません。

しかし、それはお勧めできません。理由は2つあります。

一つは、全ての発表行為が新規性喪失の例外として救われるわけではないからです。製品を販売したというような場合、テレビで発表\\したという場合などは、新規性喪失の例外が認められません。刊行物(論文や業界誌など)に記載した、特許庁長官が認定する学会で発表したなどの場合に限られます。

二つ目は、アメリカを除く、主要な外国での特許取得ができなくなってしまうからです。たとえば、ヨーロッパでは、刊行物に記載した場合や、学会で発表した場合には、新規性喪失の例外を認めてくれません。中国も、中国の学会で発表\\した場合には新規性喪失の例外を認めますが、日本の学会で発表した場合には、認めてくれません。

したがって、私は、積極的に新規性喪失の例外を用いることには賛成できません。原則として、発表の前に出願することをお勧めしています。

 

 

 

宇宙が味方する経営

  • Posted by: furutani
  • 2009年12月17日 12:37
  • その他

先週、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)の法務の方が事務所にお見えになり、ブランドのことや知的財産戦略などについて話をして盛り上がりました。その時に、ご紹介いただいた本が「宇宙が味方する経営」です。タイトルが怪しいのですが、早速買って読んでみました。

著者は、関西アーバン銀行の頭取をしておられる伊藤忠彦さんです。人間の弱さを認めた上で、傲慢にならないように、経営を進めていくべきであるという点は、納得させられました。不思議なことに、船井総研の船井さんがいわれていることと共通する部分があって、優れた人が真剣に経営を考えると、同じようなところに行き着くのだなと感心しました。

 

 

utyuu.jpghttp://www.amazon.co.jp/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%8C%E5%91%B3%E6%96%B9%E3%81%99%E3%82%8B%E7%B5%8C%E5%96%B6-%E4%BC%8A%E8%97%A4-%E5%BF%A0%E5%BD%A6/dp/4770040601/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1261021111&sr=1-1

 

 

新規性

  • Posted by: furutani
  • 2009年12月16日 23:16

本日の用語は「新規性」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%90V%8bK%90%ab

新しくないものに特許を与えるわけにはいかないので、新規性のない発明には、特許は付与されません。

問題は、a)誰を基準として新規性を判断し、b)いつの時点を基準として判断するのかと言うことです。「発明」である以上、創作なのですから新しいに決まっています。しかし、本人が新しいと思っているだけではだめで、世の中全体として新らしいことが求められています。言い換えると、主観的に新しいというだけではだめであり、客観的な新しさが必要だということです。したがって、a)は本人ではなく、世の中全体を基準としてということになります。

発明した時点で新しくとも、出願した時点では既に世の中に知られてしまっているということはあります。このような場合、新規性はないということになります。つまり、新規性は、発明の時点を基準に判断するのではなく、出願の時点を基準として判断します。発明の時点は証明が難しいので、発明時点を基準にすると、争いが絶えず、法定安定性を欠くからであるといわれています。

日本を含めてほとんどの国は、出願の時点を基準として新規性を判断しています。米国だけが、発明時点を基準としています。原理的には、発明の時点とする方が正しいでしょうから、米国だけは原理原則に則った法律となっているということになります。そのかわり、「私の方が先に発明をしました」「いいえ、私の方が先です」というような争い(インターフェアレンスといいます)がたえません。

 

 

産業上の利用可能性

  • Posted by: furutani
  • 2009年12月15日 22:32
  • 特許

本日の言葉は、「産業上の利用可能性」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%8eY%8b%c6%8f%e3%82%cc%97%98%97p%89%c2%94%5c%90%ab

産業の発達を図るのが特許法の目的ですので、産業上の利用可能性がないものについては特許を与えないのが当然でしょう。

実務上は、医療業が産業でないとされており、人間の治療方法などは特許になっていません。この点について、治療方法を産業から外すのはおかしいという意見が多いようです。人間の治療行為についても特許を与えた上で、医師による治療行為については、特許権の効力を及ぼさないという立法があるという意見もあります(たとえば、中山信弘「工業所有権法(上)」117頁など)。

 

 

 

自然法則を利用した技術的思想

  • Posted by: furutani
  • 2009年12月11日 12:39
  • 特許

本日の用語は、「自然法則を利用した技術的思想」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%8e%a9%91R%96%40%91%a5%82%f0%97%98%97p%82%b5%82%bd%8bZ%8fp%93I%8ev%91z

日常会話では、まず使うことのない言葉ですね。特許法2条に出てきます。特許を取ることが可能な「発明」は、少なくとも、自然法則を利用した技術的思想でなければなりません。絵画や音楽うあ文学が特許されないのはこのためです。

アメリカやヨーロッパでは、特許法の中で「発明」の定義はされていません。日本の特許法は、19世紀〜20世紀にかけて活躍したドイツの法学者コーラーの定義を踏襲し、「発明」とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいうとしています。

ソフトウエアに代表\\\されるように、新たな技術分野を特許で保護するにあたって(あるいはそもそも特許で保護すべきかどうかも含めて)、これら新たな技術が、上記の定義中の特に「自然法則を利用した技術的思想」に当たるのかどうかが問題となっています。

私見ですが、技術分野の特質に応じた保護が必要ではないかと考えています。たとえば、ソフトウエア関連発明など変化の激しい分野では、審査を早く、権利期間を短くしても良いのではないかと思います。

 

「発明」

  • Posted by: furutani
  • 2009年12月10日 23:46
  • 特許

本日の用語は「発明」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%94%ad%96%be

私自身も驚いたのですが、「発明」についての解説を正面から掲載していませんでした。「特許」の用語説明の中で、さらりと触れているだけでした。

ソフトウエア特許の出願では、「発明」でないとして審査官から拒絶理由を受けることが結構\\\あります。ソフトウエアとハードウエアが融合して特別の装置が構\\\成されていることを記載しなければなりません。逆に言うと、そのように記載すれば、日本ではビジネスモデルであっても特許になりうるということです。

ビジネスモデルについて、米国はコンピュータを使わない純粋なビジネスモデルも特許対象となっていましたが、Bilski判決http://www.furutani.jp/news/NL155.htmlが出て、日本に近づいた感があります。ヨーロッパは、依然として、コンピュータを用いたシステムであったとしても、ビジネスモデルを実行するものであれば原則として特許取得が難しいのが現状です。

ブログを始める訳

  • Posted by: furutani
  • 2009年12月10日 22:09
  • その他

知的財産用語辞典を始めたのが、1998年でした。そもそも、弁理士のホームページがほとんどなかった時代でしたから(当時はブログもまだなかった)知的財産の分野では、このような辞典は画期的なものでした。名刺交換をした際に、私が「知的財産用語辞典」の主催者であることを知って、いつも利用していますなどと言っていただけることも多く、そんなときこそ、サイトを続けて良かったと感激します。

法改正に対応して用語解説をメンテナンスしたり、希望の多かった用語の解説を追加したりしてきました。しかし、体系的に取り組んだことはなく、その場その場の修正・追加に留まっていました。そこで、用語を順番に、メンテナンスしていくことにしました。1年以上かかるかもしれません。

単に、メンテするだけではおもしろくありませんので、その様を、ブログに掲載することにしました。追っかけていただければ、知的財産用語に詳しくなることうけあいです。知財用語の世界をお楽しみください。

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