- 2009年12月18日 12:38
- 特許
本日の用語は、「新規性喪失の例外」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%90V%8bK%90%ab%91r%8e%b8%82%cc%97%e1%8aO
出願前に、世の中に知られている発明は、新規性がなく特許を取得することができません。発明者本人が、出願前に発表した場合であっても、原則として新規性がないとして特許を取得できません。
しかし、本人が発表した場合まで、絶対、特許をあげないというのは、かわいそうであるので、「新規性喪失の例外」が規定されています。
本人が発表してから、6月以内に出願すれば、新規性を失わなかったものとする扱いが、特許法に規定されています。それならば、どんどん発表\\して、市場の反応を見てから、良さそうな発明だけ特許出願しようと考える方がいるかもしれません。
しかし、それはお勧めできません。理由は2つあります。
一つは、全ての発表行為が新規性喪失の例外として救われるわけではないからです。製品を販売したというような場合、テレビで発表\\したという場合などは、新規性喪失の例外が認められません。刊行物(論文や業界誌など)に記載した、特許庁長官が認定する学会で発表したなどの場合に限られます。
二つ目は、アメリカを除く、主要な外国での特許取得ができなくなってしまうからです。たとえば、ヨーロッパでは、刊行物に記載した場合や、学会で発表した場合には、新規性喪失の例外を認めてくれません。中国も、中国の学会で発表\\した場合には新規性喪失の例外を認めますが、日本の学会で発表した場合には、認めてくれません。
したがって、私は、積極的に新規性喪失の例外を用いることには賛成できません。原則として、発表の前に出願することをお勧めしています。
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