Home > Archives > 2010年1月 Archive

2010年1月 Archive

発明の単一性

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月30日 13:24
  • 特許

 今日の用語は、「発明の単一性」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%94%ad%96%be%82%cc%92P%88%ea%90%ab

 米国の実務と比べると、日本での単一性は、その基準が明確でありありがたいですね。米国では、審査官が限定要求を出すと、実務上は、まず従います。日本なら、技術的特徴が共通することを主張して覆すことができます。

 以前は、出願の単一性という言葉が用いられていた。

 「単一性」というと、刑事訴訟法の「控訴事実の単一性」がありますが、全く関係ないですね。あたりまえです。

実務修習の講師

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月30日 13:09
  • その他

 昨日は、一日、実務修習の講師。私も疲れたが、それ以上に修習生は疲れただろう。おつかれさま。

 以前の研修と比べると、時間が長くなって、クラス分けもあってゆっくりとできるのがいいですね。

 テキストの修正が必要である。講義でしゃべる内容をもう少し、盛り込んででおいた方がよい。来年こそは、改訂しないといけない。

公表公報と再公表\\公報

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月27日 21:56
  • 特許

本日の用語は「公表公報」とhttp://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%8c%f6%95%5c%8c%f6%95%f1再公表公報http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%8d%c4%8c%f6%95%5c%8c%f6%95%f1

条文順に用語を更新していますので、順番からいくと、もう少し先に取り上げるはずの用語です。しかし、本日、用語辞典を使ってくださっている山下直彦さんから、「公表公報」と「再公表\\公報」につき、間違いをご指摘いただきました。そこで、あわてて、とりあげたという次第です。山下さん、ありがとうございました。

「公表公報」と「再公表\\公報」には、古い情報が正しく訂正されずに残っていました。公表公報の発行時期は、原則として、国内書面提出期間経過後です。以前は、国内書面提出期間は、優先日より20月でしたが、今は、優先日より30月となっています。したがって、公表\\公報は、原則として、優先日から30月後に発行されることになります。(なお、用語辞典の方では、知財に詳しくない方を意識していますので、優先日という用語を用いず、出願日として説明したうえで、注釈をつけています)

この点の更新を怠っていたということになります。お恥ずかしい限りです。

再公表公報は、法律に定められた公報ではありませんが、運用上発行されているものです。発行時期は、公表\\公報と同じ時期として運用されているようです。

中国語の翻訳

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月26日 22:10
  • その他

今日、セミナーの前に、アルカディア天白社長の紹介で、クロスランゲージ古賀社長と会わせていただく。クロスランゲージは、特許翻訳ソフトでは、しにせである。アルカディアが、言語処理を専門にしていることから、両社社長はつながりがあるらしい。

古賀社長は、現在、中国語の翻訳に興味をお持ちのよう。今まで経験した言語の中で、中国語のシステム化が一番難しいということらしい。中国語では、動詞が分離して、その間に言葉が入る形の判断が難しいようである。

この話を聞いていたアルカディアの天白社長が、それなら、私が発明したいい特許を持っているという発言をされた。実は私が代理して取得した特許であるが、その手法が、中国語の処理に使えるとはにわかに思いつかず、さすが発明者と感心することしきり。

Joint Thinkingをテーマに業務をしているが、まだまだ、発明者の立場に立ち切れていない点を反省。

クロスランゲージ http://www.crosslanguage.co.jp/

アルカディア http://www.arcadia.co.jp/

ソフトウエア特許明細書セミナー

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月26日 21:13
  • その他

25日大阪、26日東京で行いました「ソフトウエア特許明細書」のセミナーが終了しました。今年で、5年目になります。東京会場では、最後に多くの方が質問に残っていただき、長い間お待たせして申\\し訳ありませんでした。

どのようなセミナーであっても講師をするということは緊張するのですが、テーマが「明細書」ということになると、特に緊張します。

聞きにこられる弁理士の方は、ソフトウエア分野はあまりやっていないけれど、明細書作成においてはベテランであったりするからです(もちろん、新人の弁理士の方の参加も多いですが)。

そのような方を前に、私が何を伝えることができるのか、毎年悩むところです。結局は、日頃の自らの仕事の態度や、勉強の態度が、この日に問われるわけであり、日々精進が大切であると感じます。

来年度に向けての用意が、明日から、また始まるわけです。ご参加いただいた方、本当にありがとうございました。

特許請求の範囲

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月26日 21:01
  • 特許

本日の用語は「特許請求の範囲」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%93%c1%8b%96%90%bf%8b%81%82%cc%94%cd%88%cd

取得した特許の権利範囲を決めるのは、一義的には出願人であるというところがおもしろいですね。最初から権利の範囲が決まっているのではないという点が、他の権利と違うところです。

しかも、発明は無限に生み出されますので、無限に存在する可能性から、発明者がそれを切り取って権利化するというおもしろさがあります。

特許制度ができたときには、特許請求の範囲に権利を示すという考え方はなかったですから、これも誰かが発明したのですね。よく考えたものだと思います。

 

明細書

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月25日 19:01
  • 特許

今日の用語は「明細書」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%96%be%8d%d7%8f%91

知財関係者の間では、「明細書」といったときに、2つの意味があるようです。一つは特許請求の範囲を含めた出願書類というような意味、もう一つは現行法上の「明細書」の意味です。前者のような用い方がされるのは、明細書に特許請求の範囲が含まれていた時代が長かったからだと思われます。

セミナーのタイトルなどで、「明細書の書き方」などというのがありますが、あれは、明細書の書き方だけで、特許請求の範囲について説明しないわけではありません。そのうち、このような用法はなくなっていくのでしょうね。

特許出願

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月23日 19:15
  • 特許

今日の用語は「特許出願」http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%93%c1%8b%96%8fo%8a%e8

特許出願にあたっては、もちろんその内容が大切なのですが、今日は、出願の形式面について昔の話を書きます。

私が弁理士になった頃(1980-年代)は、和文タイプしたものを特許庁に郵送することで出願していました。特許庁は東京にしかないので、先願主義の観点から不公平にならないように、郵便局での受け付け時が出願時になるような発信主義を採用したのです。

和文タイプでの出願は大変です。まず、原稿を手書きで作成します。まだ、ワープロがない時代ですから手書きです。この原稿を、クライアントに送ってチュックをもらいます。原稿を訂正して、業者に和文タイプをお願いします。

和文タイプがあがってくると、秘書と原稿の読み合わせ(秘書が原稿を読み上げ弁理士が和文タイプされたものを確認する)をします。間違いがあると、大変です。タイプミスがあったり、原稿のミスにその段階で気づいたりと、結構訂正がありました。

今と違って、ワープロではありませんので、和文タイプされたものに手書きで修正し、欄外に「5字修正」などと記入し弁理士印を押します。和文タイプは、提出用1部、控え用4部ほどをカーボンコピー(複写紙)して作成しますので、訂正の際にも、カーボンコピーをしいて、思い切り力を入れて訂正記入をします。訂正が多いと、訂正字数を数えるのも大変です。

訂正が終わると、提出用、控え用のそれぞれについてホッチキス止めをし、各ページに弁理士印で割り印をします。このようにしてできあがった出願書類を、特許庁に郵送するのです。郵便局で、引受時刻証明をとって、書留で送ります。

ということで、秘書も弁理士も(特に秘書)、出願のための事務処理が結構大変でした。

古い公報を見ると、1頁に4枚の原稿が印刷されているものがありますね。あれは、上記のようにして出願された書類を、縦横2分の1に縮小して印刷したものです。

もう、元には戻れない、昔の話です。私は、今の方がいいですね。

 

 

 

特許を受ける権利

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月22日 18:49
  • 特許

本日の用語は「特許を受ける権利」ですhttp://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%93%c1%8b%96%82%f0%8e%f3%82%af%82%e9%8c%a0%97%98

発明をしたことによって発生し、特許出願を行うことができるようになる権利ですから、「出願権」とでもすれば分かりやすかったのかもしれません。「出願権」とすると、出願手続きが終わると、消えてなくなりそうな気がしてしまいますので、使われなかったのかもしれません。

「特許を取る権利」ではなく、「特許受ける権利」としたのは、国に対する請求権的な性格があることを表すためかもしれません。

知って得するソフトウエア特許著作権

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月22日 12:47
  • その他

拙著「知って得するソフトウエア特許著作権(第5版)」について、こんなにお褒めいただいたブログを見つけました。しかも、筆者の狙い所を、うまく褒めて下さっているので、舞い上がってしまいそうです。http://blog.livedoor.jp/businesslaw/archives/51548801.html

初版の1992年から、もう20年近くたちました。出版社の方から、もう、改訂はしませんということにならず、第5版までこぎつけたのは、このように評価をして下さる皆さんがおられればこそであると感謝しております。

Takuji Hashizumeさんの評価を裏切らないように、第6版も頑張ろうという気になりました。

 

software-patent.jpghttp://www.amazon.co.jp/%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%BE%97%E3%81%99%E3%82%8B-%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E7%89%B9%E8%A8%B1%E3%83%BB%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9-%E6%94%B9%E8%A8%82%E4%BA%94%E7%89%88-%E9%B6%B4%E6%9C%AC-%E7%A5%A5%E6%96%87/dp/4756151515/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=books&qid=1204286406&sr=1-4

 

職務発明

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月21日 20:46
  • 特許

今日の用語は「職務発明」です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%90E%96%b1%94%ad%96%be

青色発光ダイオードの事件が有名ですね。今は、大学の先生の発明も、「職務発明」とする大学が多いようです。

血流のカオス解析

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月21日 15:03
  • その他

心理学の世界にカオス解析を持ち込んだユニークな雄山先生が、外国出願についての相談にお見えになる。血流のカオス解析で、人間の色々な心理状況が分かるという話を聞かせてもらう。

先生は、現代病の予防、幼児の生育などに役立てようとしておられる。少子化と高齢化社会にとって、重要な課題である。

幼児の昼寝、音楽鑑賞の意義、突発的自殺の原因など、血流のカオス解析で説明できそうなものも多いという話である。

本当に、研究が楽しくて仕方ないという雄山先生でした。素晴らしい。

雄山先生が起こされたベンチャーは、http://www.chaotech.org/index.html

プラハ交響楽団

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月20日 09:00
  • その他

昨日、株式会社フェイスの平澤社長に、プラハ交響楽団のコンサートに招待いただき、京都コンサートホールに行ってきました。飯森範親さんの指揮がとっても良かったです。遠藤真理さんのチェロも思わず引き込まれていまいました。できようはずもないのですが、思わず、私も指揮をしてみたくなりました。

2世紀も前の音楽が、今でも、多くの人を感動させるということが凄いですね。

Joint Thinking

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月17日 21:59
  • その他

仕事をする姿勢はJoint Thinkingです。Joint Thinkingを一言で言うと、クライエントと一緒に考えて、解決策を導き出すということです。

相談を受けたときに、専門家としての経験から、答えが簡単に見つかる場合もあります。このような場合でも、単に解決策だけを示すのではなく、クライエントの立場に立って、もう一度、一緒に考えるということでもあります。多くの場合、最初に思いついた解決策と同じ結論になるでしょうが、クライエントとともに考えるという点が重要であると考えています。

具体的にはHPを。http://www.furutani.jp

従来技術

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月16日 16:16
  • 特許

 本日の用語は”従来技術”です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%8f%5d%97%88%8bZ%8fp

 読んで字のごとく、従来より存在した技術をいいますね。特許出願との関係で使われることが多いので、特許出願より前に存在した技術のことをいうことが多いようです。

 知財関係者と話をすると、よく出てくる用語ですので、覚えておく価値はあると思います。読んで字のごとくなので、知らなくとも想像はつくかと思いますが、出願の時点を基準として、それ以前という意味で従来ということが多い点に注意が必要です。

 いったん特許が成立しても、その特許発明と同一の従来技術が見つかれば、その特許は無効になります。ですから、特許侵害であるとの警告を受けた場合には、従来技術が見つかるかどうかが大きな関心事となることがあります。たとえ、特許権侵害になりそうであっても、従来技術を見つけ出せば、その特許を、無効にできてしまうからです。

進歩性

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月15日 09:05
  • 特許

 今日の言葉は”進歩性”です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%90i%95%e0%90%ab

 正確な統計を見たわけではないのですが、日常の実務をしている感覚としては、特許を取得できない理由の7割〜8割は、進歩性が原因であると思われます。その意味で、「進歩性」というのは、特許がとれるかどうかに関して重大な要件となっています。にもかかわらず、「進歩性」の理解が難しいため、特許制度全体の理解を妨げているようにも感じます。

 「これは、全く新たらしい携帯電話なんです。携帯電話に、かな漢字変換の機能を搭載したのは、世界初なんです。この携帯電話を発売すると、模倣品が出ること間違いないのです。何とか特許がとれませんか?」という相談があったりします(架空の話です)。商品としては世界初でも、既にかな漢字変換がPCの世界で実現されていれば、それを、そのまま携帯電話に持ってきただけ、というのでは、進歩性はないということになります。携帯電話に搭載する際に、携帯電話に特有の事情を考慮して、「ひねり」のある工夫をしないとダメなのです。

 その反面、既にある技術を使っているだけであるから、特許はとれないのではないですか、という相談もあります。たとえば、ビジネスモデル特許と呼ばれているたぐいのものは、技術的には新しいものはなく(既存の技術を組み合わせただけ)、ビジネスの手法そのものが斬新である場合が多いようです。このような場合でも、ビジネス手法の斬新性が高ければ、進歩性があるということになるでしょう。

 進歩性の判断が難しいところです。

拡大された先願の地位

  • Posted by: furutani
  • 2010年1月12日 21:27
  • 特許

 本日の用語は、拡大された先願の地位(29条の2)です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%8ag%91%e5%82%b3%82%ea%82%bd%90%e6%8a%e8%82%cc%92n%88%ca

 この規定は、現行特許法が制定された昭和34年にはなかったものです。29条と30条の間に追加したので、29条の2になっています。

 この条文は、複雑で、説明が難しくやっかいです。大学の講義やセミナーでは、どのようにわかりやすく説明するか苦心します。その反面、説明することの醍醐味もある条文です。

 

 

 

 

Index of all entries

Home > Archives > 2010年1月 Archive

Search
Feeds

Return to page top