- 2010年1月12日 21:27
- 特許
本日の用語は、拡大された先願の地位(29条の2)です。http://www.furutani.co.jp/cgi-bin/term.cgi?title=%8ag%91%e5%82%b3%82%ea%82%bd%90%e6%8a%e8%82%cc%92n%88%ca
この規定は、現行特許法が制定された昭和34年にはなかったものです。29条と30条の間に追加したので、29条の2になっています。
法律は大改正をする時以外は、できるだけ条文の番号を変えないようにしています。技術的範囲が70条、差し止め請求が100条と、主要な条文は概ね頭に入っていますから、改正のたびにこれが変わったりすると混乱しちゃいます。かといって、追加条文を、最後に付け加えるのでは、探しにくい(というか論理的に分かりにくい)わけです。法律の条文は、たとえば、総則、特許の客体的要件、主体的要件、手続的要件、審査・・・というように体系づけて並べられているわけです。
そこで、条文の番号を変えずに新たな条文を挿入する場合には、この条文のように29条の2とするわけです。1つだけでなく2つ以上挿入する場合には、〜条の2、〜条の3、〜条の4とすればいくらでも入っちゃいます。
特許法で一番凄いのは、184条でしょう。184条の20まであります。これは、国際出願が導入された時の特例を付け加えたものです。
法律改正によって、「〜条の2」と「〜条の3」を条文として追加したとします。その後、何年か経過して、さらなる追加改正が必要になったとします。しかも、その挿入すべき(条文上の体系的な)位置が、ちょうど「〜条の2」と「〜条の3」の間であれば、どうするのでしょうか?
この場合には、「〜条の2の2」とするのですね。現に、「184条の12の2」がそんなことになっていますね。余談ですが、私が弁理士試験の勉強をしている時は、この184条がなかなか手強くて、受験生の間では「いやよ」と呼んでいました。
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