2024.11.13
令和5(ヨ)30402 特許権に基づく差止及び廃棄仮処分命令申立事件 特許権 民事仮処分 令和6年9月20日 東京地方裁判所
特許権に基づく差止等についての仮処分命令がなされました。実施可能要件違反の無効主張は認められませんでした。なお、仮処分の申\し立てではなく、別途本訴があり、そちらで審理されています。被告は裁判所の心証開示後の和解勧告には応答しなかったとのことです。
(1) 疎明資料(疎甲7)によれば、本件債務者製品は、「前記落とし口部の上方
に対向して配置され、水平方向に延びるフランジ状の平板部と、この平板部の
内周側から下方に向かって縮径するように延びるテーパー部と、このテーパー
部の下端から下方に向かって延びる円筒部とを有する落とし口対向部」を備え
ていることが認められ、これらの構成を有すること自体は、当事者間に争いは\nない。
(2) そして、本件発明2−2の構成要件2−2−Dの「蓋部材」は、特許請求の\n範囲の記載上、「落し口部の上方に配置される」ものとされており、その余の
限定はされていない。また、本件明細書2の記載によれば、「鉛直方向の上方
から見て落し口部の開口を塞ぐように配置される形状であれば良い。」(段落
【0081】)との記載があるものの、第1実施例における【表1】のケース\n1及び【表2】のケース11によれば、落とし口部の開口を完全に塞ぐように\n配置されていない形状についても、これを完全に塞ぐように配置された形状と
同様に、サイフォン現象が生じていることが確認されている(段落【0068】)。
上記構成要件及び本件明細書2の各記載によれば、本件構\成要件にいう「蓋部材」は、落とし口部の開口を完全に塞ぐように配置されていない形状も含む
ものであり、落とし口部の上方に配置されれば足りるというべきである。
これを本件債務者製品についてみると、上記認定事実によれば、本件債務者
製品の落とし口対向部は、落とし口部の開口を完全に塞ぐように配置されてい
ないものの、落とし口部の上方に配置されているものと認められる。そうする
と、本件債務者製品の落とし口対向部は、構成要件2−2−Dの「蓋部材」を\n充足するものと認めるのが相当である。
(3) これに対し、債務者らは、「蓋部材」とはその直径が落とし口部外径の直径
より大きく、落とし口部の開口を覆い塞ぐものに限られると主張するものの、
上記において説示したところを踏まえると、採用することができない。
また、債務者らは、「蓋部材」は単なる開口よりも優れたサイフォン効能を\n発揮させる部材でなければならず、本件債務者製品はこれに該当しないと主張
する。しかしながら、本件発明2−2の特許請求の範囲及び本件明細書2の各
記載には、債務者ら主張に係る限定がされているものと認めることはできず、
債務者らの主張は、採用の限りではない。
さらに、債務者らは、本件債務者製品のテーパー部は「誘導ガイド」(本件
特許2の請求項5)に当たるから、「蓋部材」には該当しないと主張する。し
かしながら、上記にいう「誘導ガイド」は、本件発明2−2ではなく、本件特
許2の請求項5で特定される構成にすぎず、仮に、同請求項5の記載をみても\n「前記蓋部材の下面には、誘導ガイドが形成され」と記載されるにとどまるこ
とからすると(疎甲4)、「誘導ガイド」は、「蓋部材」の一部として構成さ\nれ得るものと認めるのが相当である。そうすると、債務者らの主張は、「誘導
ガイド」の構成を正解するものとはいえない。\n したがって、債務者らの主張は、いずれも採用することができない。
その他に、債務者らの主張を改めて検討しても、債務者らの主張は、本件発
明2−2の構成要件及び本件明細書2の各記載に基づかないものに帰し、いず\nれも採用の限りではない。
(4) 以上によれば、本件債務者製品は、構成要件2−2−Dを充足するものと認めるのが相当である。\n
3 争点2(本件債務者製品の縦リブの「前記鍔部の上面と前記蓋部材の下面の外
周部とを連結する」該当性(構成要件2−2−E))\n
(1) 疎明資料(疎甲7、14)によれば、本件債務者製品の整流板(債権者が同
製品における「縦リブ」と呼称する部分をいう。以下同じ。)は、落とし口対
向部のうち平板部の下面に接続しており、当該下面の接続部分は、上記落とし
口対向部の下面の外周部に位置するものと認められる。そして、疎明資料(疎
甲7、14)によれば、整流板は、同製品の鍔部の上面と接続しているものと
認められる。
そうすると、本件債務者製品の構成のうち、構\成要件2−2−Eの「縦リブ」
に相当する整流板は、「鍔部の上面」と、「蓋部材」に相当する落とし口対向部の「下面の外周部」とを連結していることが認められる。
したがって、本件債務者製品は、構成要件2−2−Eを充足するものと認め\nるのが相当である。
(2) これに対し、債務者らは、本件債務者製品の整流板が3つの部材(分割板、
流入促進部、渦流防止部材)に分かれることを前提として、分割板のうち鍔部
上にある部分は落とし口対向部と連結しておらず、渦流防止部材は鍔部に連結
していないから、いずれも構成要件2−2−Eを充足しない旨主張する。しか\nしながら、本件発明2−2の構成要件及び本件明細書2の各記載を踏まえても、\n債務者ら主張に係る「分割板」、「流入促進部」、「渦流防止部材」という概
念が使用されていないことからすると、少なくとも構成要件充足性を検討する\nに当たっては、本件債務者製品の整流板を上記にいう3つの概念で区分するの
は相当ではない。のみならず、債務者パナソニックの販促資料(疎甲14)に\nよっても、債務者パナソニックは、本件債務者製品の整流板を上記3つの概念\nで区別していないのであるから、取引の実情等を踏まえても、債務者らの主張
は、独自の見解というほかない。
また、債務者らは、「縦リブ」は「鍔部上にのみ」配置されるものであると
解した上で、本件債務者製品の整流板は、落とし口部の開口に重なり「鍔部上
のみ」に配置されていないため、「縦リブ」に該当しない旨主張する。しかし
ながら、特許請求の範囲の記載上、債務者主張に係る限定はされていない。そ
して、本件明細書2(段落【0034】)には「上面視で落し口部20に重な
らない位置で周方向に間隔をあけて配置された複数の縦リブ23」という記載
が認められるものの、他方、本件明細書2(段落【0083】)には「縦リブ
23の形状、数量についても本実施の形態に限定されることはなく」と記載さ
れていることからすれば、本件発明2の上記認定に係る技術的特徴に鑑みても、
「縦リブ」は、蓋部材を下方から支持し、雨水を整流する機能を有しているも\nのであれば足り、必ずしも鍔部の真上にある構成に限定されるものとはいえな\nい。そうすると、債務者らの主張は、前記判断を左右するものとはいえない。
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2024.10.20
令和6(行ケ)10014 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 令和6年10月16日 知的財産高等裁判所
発明該当性違反および実施可能要件違反として拒絶審決がなされました。知財高裁も同様の判断です。本人出願および本人訴訟です。\n
(1) 原告は、本願発明は、エネルギー保存の法則に反するものの、そもそも
同法則や作用・反作用の法則のような「古典力学」には欠陥があり、本願発
明はそのような古典力学以外の自然法則に従っている旨主張する。
しかし、本願発明に関して本願明細書で説明されている、リニアモーター
カーを等加速度運動させた際、空気抵抗がない等の理想状態であれば、運転
開始からt秒後の消費エネルギーE1が時刻tの一次関数となること(前記
第2の2(2)イ(イ)、(ウ))は、何ら立証されていない。原告が提出する甲2
によっても、「無反動推進機の試作品」なるものが動作する(前進する)こ
とが判明するのみで、その消費電力や運動エネルギーの状況は全く分からず、
上記の古典力学以外の自然法則を証明するものとは到底いえない。
(2) かえって、本願明細書によれば、本願発明は、定格運転角速度からの減
速の際に余剰エネルギーを回収することによって発電するものであり(上記
第2の2(2)イ(カ)〜(ケ))、その原理は、定格運転速度で運動エネルギーが
「損失+発電機出力分消費エネルギー」よりも大きくなるという事象に基づ
くものである(上記第2の2(2)イ(オ))。この事象は、(単位時間当たり
の)消費電力が一定で一方向力Fを発生させることを前提としているが(上
記第2の2(2)イ(ア))、これについては本願明細書【0003】(上記第
2の2(2)イ(イ))に記載のように、
F:リニアモーターがレールに対して発生させる力
m:リニアモーターカーの車体重量
a:リニアモーターカーの加速度
とすると
F=ma
であるから、力Fが一定であれば加速度aも一定となるため、リニアモーターカーは運転開始時刻t=0から等加速度運動を始める。この場合の変位xは
x=1/2at²
と表される(乙18の21頁)。そして、運転開始からの消費電力(消費エ\nネルギー)E1は物体がされた仕事Wに等しいから、
E1=W=Fx=(ma)×(1/2at²)=1/2ma²t²
と表され(乙18の78頁)、一定の力Fを発生させるには、運転開始から\nの消費電力(消費エネルギー)E1を時間tの二次関数に従って増加させる
必要がある。したがって、(単位時間当たりの)消費電力が一定で一方向力
Fを発生させるという前提に誤りがあることは明らかである。
以上のとおり、本願発明はエネルギー保存の法則に反するものであるから、
特許法2条1項でいう「自然法則を利用した」ものではなく、特許法29条
1項柱書に規定される「発明」に該当しない。
(3) よって、発明該当性を否定した本件審決に判断の誤りはなく、原告主張
の取消事由1は理由がない。
2 取消事由2(実施可能要件についての判断の誤り)について\n
上記1のとおり、本願発明は、自然法則に反するものであるから、当業者が
本願発明を実施できないことは明らかである。したがって、本願明細書の発明
の詳細な説明の記載は特許法36条4項1号の実施可能要件を欠く。\n
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2024.09.16
令和5(行ケ)10104 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 令和6年8月28日 知的財産高等裁判所
超伝導技術の関する発明について、実施可能要件違反とした審決が維持されました。\n
ア 技術常識1
ある種の物質をある温度(臨界温度)以下に冷やしたときに、抵抗値がゼロとなることを「超伝導」又は「超電導」ということ。
イ 技術常識2
2つの超伝導体を弱く結合したときに、電子対がトンネル効果によっ
てその結合部を通過する現象を「ジョセフソン効果」といい、ジョセフ\nソン効果が生じるように2つの超伝導体を薄い絶縁膜で隔てるなどして\n弱く結合するようにしたものを「ジョセフソン接合」ということ。\n
(2) 前記2のとおり、本願発明は、本願層構造をとる「第1のELR導体」と\n「第2のELR導体」の間に「バリア材料」を配置して、「ジョセフソン接\n合」又は「ジョセフソン接合を含む回路」を構\成する発明であるから、前記
(1)の技術常識を踏まえると、本願発明においては、1)「第1のELR導体」
と「第2のELR導体」がいずれも超伝導状態、すなわち抵抗値がゼロの状
態にあり、かつ2)「バリア材料」にジョセフソン効果によるトンネル電流が\n流れていることとなる。
そうすると、本願明細書等の記載が実施可能要件を満たすというためには、\n本願明細書等に前記1)及び2)の各事項が記載されている必要があるというべ
きである。
そして、前記1)の事項については、本願明細書等には本願発明の様々な実
施例とその試験結果が記載されているが、それらのいずれからも各実施例に
おける導体の抵抗値がゼロとなったことを読み取ることはできず、本願発明
の「第1のELR導体」と「第2のELR導体」が超伝導状態にあることを
示す試験結果等は記載されていない。前記2)の事項については、本願発明の
「第1のELR導体」と「第2のELR導体」の間に配置された「バリア材
料」にジョセフソン電流が流れる旨の段落【0223】の記載は、超伝導状\n態にない導体の間に配置されたバリア材料にジョセフソン効果が発現すると\nいう前記技術常識2に反する内容であり、このような現象が生じ得ることを
裏付ける試験結果等が記載されていなければ、当業者は本願発明を実施する
ことができると認識するものではないところ、前記「バリア材料」にジョセ
フソン電流が流れることを示す試験結果等は記載されていない。したがって、\n本願明細書等に前記1)及び2)の各事項が記載されているといえないことは、
本件審決が認定するとおりである。
4 原告の主張に対する判断
(1) これに対し、原告は、以下のとおり、本願発明のELR導体又はその一部
が超伝導状態となっている旨主張するので、以下検討する。
ア まず、原告は、本願発明の第1のELR導体に含まれる修飾ELR材料
の臨界温度が150Kを超える旨主張する。
しかし、当業者が実施し得る程度にその構造、組成等が明らかであっ\nて、150Kを超える温度において超伝導状態すなわち抵抗値がゼロで
あるELR材料は、本願明細書等に開示されていない。
イ 次に、原告は、本願明細書等で説明される抵抗現象、平均抵抗、おおよ
その抵抗率、抵抗値等の表現が抵抗率を意味することを当業者は直ちに理解する、図14A〜図14AGが示す抵抗/抵抗率の急激な変化は、\n本願発明の材料が非超伝導状態から超伝導状態に変化することを示す、本願発明において超伝導状態のELR材料は0Ω・cmから3.36×10−8Ω・cmの範囲の抵抗率を有すると特定したと主張する。
しかし、抵抗率ρは「ρ=RS/L」の式(S:物質の断面積、L:長さ、
R:抵抗値)で表され(甲16〜18)、抵抗値Rと抵抗率ρの関係は\n物質の断面積Sと長さLに応じて変化するから、抵抗値Rと抵抗率ρは区
別されるものである。確かに、断面積S及び長さLの値が一定であれば、
抵抗値Rは抵抗率ρと正比例するから、抵抗値Rが減少するときは、抵
抗率ρも減少しているという関係にあるが、抵抗値と抵抗率の定義が異
なる以上、図14A〜図14Gが示す「抵抗値」をもって、本願発明の
ELR材料が3.36×10−8Ω・cm以下の範囲の「抵抗率」を有す
ると当業者が理解することはできない。
また、いずれにせよ、超伝導状態とは抵抗値がゼロの状態であり(技術
常識1)、その場合は抵抗率もゼロとなるが、本願発明の材料の抵抗値
がゼロとなった試験結果等が記載されていないことは、前記のとおりで
ある。
図14A〜図14Gが示す抵抗の急激な変化が本願発明の材料が非超伝
導状態から超伝導状態に変化することを示すとの点については、裏付け
となる試験結果等は本願明細書等に記載されていない(なお、段落【0
057】には、前記各図の「離散ステップ 1410」とされるもの以外につ
いてであるが、部分的な超伝導状態以外の要因によって生じる可能性が\n記載されている。)。
ウ 原告は、さらに、改良ELR材料のサンプルの一部が非超伝導状態から
超伝導状態へ超伝導遷移することを実証した、A博士の宣誓書(甲19)
もこれを支持すると主張する。しかし、改良ELR材料のサンプルの一部が非超伝導状態から超伝導状態へ超伝導遷移することが試験結果等により裏付けられたものでないこ
とは前記のとおりであり、A博士の宣誓書(甲19)の内容をみても、
原告の主張を裏付けるに足りる具体的根拠は記載されていない。
仮に「改良ELR材料のサンプルの一部が非超伝導状態から超伝導状態
へ超伝導遷移」するとしても、本願発明はそのような「超伝導状態のサ
ンプルの一部」を取り出して「第1のELR導体」、「第2のELR導
体」とするものではなく(その具体的方法も本件明細書等に記載されて
いない。)、ELR導体そのものは超伝導体ではない(したがって、技
術常識2に照らすと、ジョセフソン接合を実施することはできない。)。\n
エ 以上によれば、本願発明のELR導体又はその一部が超伝導状態となっ
ている旨の原告の主張は、採用することができない。
(2) 原告は、本願発明の「ジョセフソン接合」は従来技術の「ジョセフソ\ン接
合」を超えるものであり、ELR導体が超伝導体でなくともジョセフソン効\n果が発生している旨主張する。
しかし、超伝導状態にない導体の間に配置されたバリア材料にジョセフソ\nン効果が発現するというのは前記技術常識2に反する内容であり、このよう
な現象が生じ得ることを裏付ける試験結果等が本願明細書等に記載されてい
ないことは、既に述べたとおりである。
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2024.08.26
令和5(行ケ)10019 特許権 行政訴訟 令和6年8月7日 知的財産高等裁判所
薬の特許について、進歩性・サポート要件・実施可能要件が争われました。特許庁は無効理由無しと判断しました。裁判所も「どの範囲の実施例等の裏付けをもって十\分とするかについては、当該課題解決の認識がいかなるロジックによって導かれるかという点を踏まえて検討されるべき」と、同じ判断です。
以上の本件明細書の記載及び技術常識を総合すると、本件明細書には、
1)mAb1は、抗IL−4Rアンタゴニスト抗体であって、IL−4Rに結
合し、IL−4のシグナルを遮断する作用を有するものであること、2)mA
b1が投与された本件患者では、アトピー性皮膚炎における臨床症状が改善
したこと、3)mAb1が投与された本件患者では、アトピー性皮膚炎のバイ
オマーカーであり、IL−4によって産生・分泌が誘導されることが知られ
ているTARC及びIgEのレベルが低下したことが開示されていることか
ら、これに接した当業者は、本件患者にmAb1を投与した際のアトピー性
皮膚炎の治療効果は、mAb1のIL−4Rに結合しIL−4を遮断する作
用、すなわち、アンタゴニストとしての作用により発揮されるものと理解す
るものといえる。そうすると、IL−4Rに結合しIL−4を遮断する作用を有する抗IL
−4Rアンタゴニスト抗体(本件抗体等)であれば、mAb1に限らず、本
件患者に対して治療効果を有するであろうことを合理的に認識でき、前記
(2)に記載した本件訂正発明の課題を解決できるとの認識が得られるものと
認められる。
(6) ところで、本件明細書に開示された薬理試験結果はmAb1に関するも
ののみであることは、原告の指摘するとおりである。しかし、サポート要件
の適合性につき、「特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明
に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課
題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か」等を判断するに当
たって、どの範囲の実施例等の裏付けをもって十分とするかについては、当\n該課題解決の認識がいかなるロジックによって導かれるかという点を踏まえ
て検討されるべきであり、特許の権利範囲に比して実施例が少なすぎると
いった単純な議論が妥当するものではない。
これを本件についてみるに、本件においては、1)mAb1は、抗IL−
4Rアンタゴニスト抗体であって、IL−4Rに結合し、IL−4のシグナ
ルを遮断する作用を有するものであること、2)mAb1が投与された本件患
者では、アトピー性皮膚炎における臨床症状が改善したこと、3)mAb1が
投与された本件患者では、アトピー性皮膚炎のバイオマーカーであり、IL
−4によって産生・分泌が誘導されることが知られているTARC及びIg
Eのレベルが低下したことが開示されていることから演繹的に導かれる推論
として、本件患者にmAb1を投与した際のアトピー性皮膚炎の治療効果は、
mAb1のIL−4Rに結合しIL−4を遮断する作用、すなわち、アンタ
ゴニストとしての作用により発揮されるものと理解されるものであって、課
題を解決できると認識できる範囲が幅広い実施例から帰納的に導かれる場合
とは異なる。上記作用機序は、本件抗体の一つであるmAb1がIL−4R
に結合し、IL−4のシグナルを遮断する作用を有するものであり、mAb
1が投与された本件患者では、アトピー性皮膚炎における臨床症状が改善し、
アトピー性皮膚炎のバイオマーカーも低下したのであるから、mAb1以外
の抗IL−4Rアンタゴニスト抗体である本件抗体等(mAb1以外の32
種)も同様の作用効果を有すると当業者が理解できることは明らかである。
本件明細書に開示された薬理試験結果はmAb1に関するもののみであ
るとの原告の指摘は、上記認定判断を左右するものではない。
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2024.06. 9
令和4(行ケ)10057等 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 令和6年4月25日 知的財産高等裁判所
サポート要件違反・実施可能性違反(36条6項1号、同4項))の無効理由なしとした審決が維持されました。
ア 特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲
の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、
発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆によ
り当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、ま
た、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題
を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断するものと解す
るのが相当である。
本件明細書における本件各発明の課題及び解決手段は、前記2(2)のとおりであ
る。ここで、前記2(2)のとおり、本件パラメータは、直線近似式であるところ、そ
の統計的な性質上、予測値にすぎないものであることは、当業者の技術常識の範ちゅ\nうであるといえる。
かかる技術常識に照らして、当業者は、本件パラメータが規定する関係を満たす
場合には、1.09≦y/x≦1.21の数値範囲において85%から90%程度
の輝度均斉度が、1.21≦y/x≦1.49の数値範囲において90%から95%
程度の輝度均斉度が、1.49≦y/xの数値範囲において95%程度の輝度均斉
度がおおよそ得られることが期待できることが本件明細書に記載されていると理解
するものであるといえる。
また、輝度均斉度が、おおむね85%程度を超えていると、粒々感は、解消でき
ることも周知の技術であるといえる(甲10【0001】【0024】【0074】)。
そうすると、本件明細書に接した当業者は、上記技術常識も踏まえて、本件パラ
メータが1.09<y/xであれば、粒々感を抑制するという課題を解決できると
認識するものである。
他方、本件訂正後の特許請求の範囲に特定された本件各発明における本件パラ
メータについてみると、1.09<y/xの範囲で、y/xの下限や上限を適宜特
定し、さらには、x値(請求項5〜8)の範囲を特定するものであるから、本件訂
正後の特許請求の範囲に記載された発明は、輝度均斉度がおおよそ85%以上とな
る範囲を特定するものであることを理解できる。
以上を踏まえて、本件訂正後の特許請求の範囲の記載と本件明細書の記載とを対
比すると、同特許請求の範囲に記載された本件各発明が、本件明細書に記載された
発明であって、発明の詳細な説明の記載により、当業者は、同特許請求の範囲に特
定された全数値範囲で、粒々感を抑制するという課題を解決できると認識できる範
囲のものであるといえるから、本件訂正後の特許請求の範囲の記載は、特許法36
条6項1号のサポート要件を満たすものであるといえる。
イ この点、原告は、本件明細書の実験結果【図7A】には、y=1.09xの
段階で輝度均斉度が85%に達していない試料(上段から10番目及び13番目)
が記載されていること等から、実験結果から当業者が課題を解決できると認識でき
ないなどと主張するが、前記2(2)オのとおり、当業者は、直線近似式と実測データ
には残差が存在するという出願時の技術常識を踏まえて、本件各発明を理解すると
ころ、原告が指摘する試料番号10、13等についても、このような技術常識を踏
まえて、おおよそ所望の輝度均斉度が得られ、本件各発明の課題を解決できると理
解できるものである。よって、原告の上記主張には理由がない。
したがって、サポート要件に違反しないとした本件審決の判断に誤りはない。
(2) 実施可能要件について\n
物の発明における発明の実施とは、その物の生産、使用等をする行為をいうから
(特許法2条3項1号)、物の発明について実施可能要件を充足するか否かについ\nては、当業者が、明細書の発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づい
て、過度の試行錯誤を要することなく、その物を製造し、使用することができる程
度の記載があるかどうかで判断するのが相当である。
前記2(2)オのとおり、本件パラメータは、直線近似式であって、発光中心間隔x
と半値幅yが、本件パラメータの数式の範囲内にあれば、おおよそ所望の輝度均斉
度が得られるとしたものである。
ここで、粒々感を解消した直管形LEDを得ることは、本願出願前に周知の技術
的課題であるし(甲1の3、甲47、甲52)、この課題を解決して粒々感を抑制す
るためには、輝度均斉度がおおよそ85%程度以上であればよいことは技術常識で
ある(甲10)。
さらに、直管形LEDにおいて、LED素子を選定し、コストの関係でLEDの
個数を適宜決定し(x値を変えること)、その上で、拡散カバーを適宜選択すること
(y値を変えること)で、粒々感を解消することが、本件特許の出願当時の技術常
識であったこと、また、x値やy値の計測やy/x値の計算(【0080】)も格別
困難なものではないことに照らすと、当業者は、本件明細書等の記載及び技術常識
に基づいて、過度の試行錯誤を経ることなく、使用するLED素子、拡散部材、又
は素子と拡散部材の距離などにつき、粒々感を抑制し得るような組合せを適宜選択
して、本件各発明に係る本件パラメータを充足するy値及びx値を備えるランプを
実施することができるというべきである。
この点、原告は、過度な試行錯誤を経なくては、発明の課題とする所望の輝度均
斉度を得ると当業者が理解できないと主張するが、上記判断に照らし、原告の主張
は採用できない。したがって、実施可能要件に違反しないとした本件審決の判断に誤りはない。\n
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2024.06. 9
令和5(行ケ)10101 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟 令和6年4月25日 知的財産高等裁判所
実施可能性違反(36条4項)の無効理由なしとした審決が維持されました。
上記記載によれば、本件明細書の発明の詳細な説明には、「ユーザー4は、
アプリケーション[B]10を用いて、要鑑定製品1に付与された秘密鍵α1、
およびギャランティカード2に付与された秘密鍵β1を使用して、専用プラッ
トフォーム8のブロックチェーンデータ8bに書き込まれた、要鑑定製品1
の製品情報および取引情報を読み込むことができ」ることが記載されている。
また、上記1のとおりの、「要鑑定製品1およびギャランティカード2を所
有する真のユーザーだけが、信頼性の高い鑑定証明を簡単に行うことができ
る」との本件各発明の奏する効果を考慮すると、本件明細書の発明の詳細な
説明には、「ユーザー4が要鑑定製品1およびギャランティカード2を所有す
る真のユーザーであるという認証を行った後に、認証されたユーザー4だけ
が、専用プラットフォーム8のブロックチェーンデータ8bに書き込まれた、
要鑑定製品1の製品情報および取引情報を読み込むことができ」ることも記
載されているといえる。
(3) 本件特許の出願時の技術常識
本件特許の出願時における技術常識を示す文献である甲2(新版暗号技術
入門 秘密の国のアリス、2012年〔平成24年〕7月25日第7刷発行)
には、「公開鍵信号・・・では、『暗号化の鍵』と『復号化の鍵』を分けます。
送信者は『暗号化の鍵』を使ってメッセージを暗号化し、受信者は『復号化
の鍵』を使って暗号文を復号化します。」、「『復号化の鍵』は・・・あなだだ
けが使うものなのです。ですから、この鍵をプライベート鍵・・・と呼びま
す。」「公開鍵で暗号化した暗号文は、その公開鍵とペアになっているプライ
ベート鍵でなければ復号化できません。」、「デジタル署名では、署名の作成と
検証とで異なる鍵を使います。署名を作成できるのはプライベート鍵を持っ
ている本人だけですが、署名の検証は公開鍵を使いますので、誰でも署名の
検証を行えます」との記載があり、甲1、3、乙2ないし4にもこれと同旨
の記載がある。
そうすると、本件各発明の属する暗号技術分野において、秘密鍵で暗号化
し、その秘密鍵と対の関係にある公開鍵で復号化することにより、本人認証
を行う公開鍵暗号方式によるデジタル署名技術は、本件特許の出願当時の技
術常識であったことが認められる。
(4) 判断
そうすると、上記(2)の本件明細書の発明の詳細な説明の記載に接した当業
者は、上記(3)の出願当時の技術常識に基づくと、要鑑定製品1に付与された
秘密鍵α1及びギャランティカード2に付与された秘密鍵β1は、それらと対
の関係にある公開鍵と共に、ユーザー4が要鑑定製品1及びギャランティカ
ード2を所有する真のユーザーであるという本人認証に使用されることが自
然であると理解できるから、本件明細書の発明の詳細な説明には、アプリケ
ーション[B]10を用いる許可を得るための本人照合の手段として、要鑑
定製品1に付与された秘密鍵α1及びギャランティカード2に付与された秘
密鍵β1で暗号化し、秘密鍵α1及び秘密鍵β1と対の関係にある公開鍵で復号
化することで本人認証を行うデジタル署名技術により、ユーザー4が要鑑定
製品1及びギャランティカード2を所有する真のユーザーであるという認証
がなされ、認証されたユーザー4だけが、専用プラットフォーム8のブロッ
クチェーンデータ8bに書き込まれた、要鑑定製品1の製品情報および取引
情報を読み込むことができることが記載されていると理解できる。
したがって、本件明細書の発明の詳細な説明には、当業者が、本件明細書
の発明の詳細な説明の記載及び本件特許の出願当時の技術常識に基づいて、
過度の試行錯誤を要することなく、構成要件E、Fを含む本件発明1の鑑定\n証明システムを製造し、使用することができる程度に、明確かつ十分に記載\nされているものと認められる。
よって、本件発明1について、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は実
施可能要件を満たしているといえ、本件発明2ないし7についても同様に解\nされる。
したがって、原告の主張する取消事由1は理由がない。
(5) 原告の主張に対する判断
ア 原告は、前記第3の1〔原告の主張〕(1)のとおり、本件明細書の発明の
詳細な説明には、構成要件E及びFを具現すべき機能\等について記載され
ておらず、不明瞭であり、出願時の技術常識に基づいてもその具現すべき
機能等を当業者が理解できないから実施可能\要件を欠く旨を主張する。
しかし、上記(2)ないし(4)で検討したとおり、本件明細書の発明の詳細な
説明の記載は、当業者において、技術常識に基づいて過度の試行錯誤を要
することなく特許請求の範囲に記載された本件各発明を実施できる程度
に明確かつ十分に記載されているものと認められる。\nしたがって、原告の上記主張は採用することができない。
イ 原告は、前記第3の1〔原告の主張〕(2)のとおり、本件審決の挙げる「例」
は誤りであり、秘密鍵を有するユーザーにパスワードが設定された適切な
アプリケーションをダウンロードにより入手させることもできないから、
「例」について実施可能要件違反がある旨を主張する。\nしかし、本件審決は、「例」につき、ユーザーが要鑑定製品1及びギャラ
ンティカード2を所有する真のユーザーであるという認証について実施
可能であることを示す例として示したにすぎず、仮にこの「例」が誤りで\nあったとしても、直ちに本件審決の結論に誤りがあることにはならないか
ら、原告の主張は前提を欠くものである。
また、本件明細書の段落【0023】には、「要鑑定製品1の小型記録媒
体(a1)1aに記録された秘密鍵α1、製品情報を含む情報、および、ギ
ャランティカード2の小型記録媒体(b)2aに記録された秘密鍵β1、製
品情報を含む情報の読み取りは、図2に示すように、パーソナルコンピュ\nータ5−1のリーダー5−2や、スマートフォン6−1を接触させて行う
こともできるし、NFC(NearField Communicati
on)、RFID(Radio Frequency IDenticif
ier)等の近距離無線通信により非接触で行うこともできる。」との記載
があり、要鑑定製品1の小型記録媒体(a1)1a又はギャランティカード
2の小型記録媒体(b)2aから、秘密鍵α1及び秘密鍵β1のほかに、製
品情報も読み取られているから、この記載に接した当業者であれば、秘密
鍵α1及び秘密鍵β1ではなく、製品情報に基づいてアプリケーション[B]
がダウンロードされると考えることも自然であるということができる。
る。したがって、原告の上記主張は採用することができない。
ウ 原告は、前記第3の1〔原告の主張〕(3)のとおり、仮に、本件審決が想
定する上記「例」が実施可能であるとしても、本件発明1に含まれる当該\n「例」以外の部分について、本件明細書の発明の詳細な説明には記載され
ておらず、暗号化/復号化をすることが、「アプリケーション[B]」、「読
み込み」及び「鑑定証明を行う」等とどのような関係にあるのかも不明で
あり実施可能要件違反がある旨を主張する。\nしかし、上記(2)ないし(4)で検討したとおりであり、本件明細書の発明の
詳細な説明の記載は、当業者において、技術常識に基づいて過度の試行錯
誤を要することなく特許請求の範囲に記載された本件各発明を実施でき
る程度に明確かつ十分に記載されているものと認められる。\nしたがって、原告の上記主張は採用することができない。
3 取消事由2(実施可能要件の判断の論理構\成の誤り)について
原告は、取消事由2として、本件審決の論理構成は、本件明細書とは別の書\n面である本件特許請求の範囲が理解できるとの判断に依拠する誤ったもので
あり、実施可能要件の判断に当たって、本件審決の論理構\成には誤りがある旨
を主張する。
しかし、本件審決は、「第6 当審の判断」として、本件明細書の発明の詳
細な説明の記載を摘記した上で、本件各発明の技術的意義を明らかにし(第6
の1(1)及び(2))、第6の2において、「物の発明について実施可能要件を満たす\nためには、明細書の発明の詳細な説明の記載が、当業者において、その記載及
び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、当該発明
に係る物を作り、使用することができる程度のものでなければならない。そこ
で、以下、これを前提に判断する。」(本件審決13頁4行目ないし同頁8行目)
との判断の基礎を示した上で、本件各発明の構成要件と本件明細書の発明の詳\n細な説明の記載の対応関係を検討し(第6の2(1))、続く第6の2(2)イにおい
て、「上記(1)アのとおり、本件発明1の構成要件Eと対応する本件明細書の発\n明の詳細な説明の記載は、【0021】、【0022】及び【0036】である。」
(本件審決14頁12行目ないし同頁14行目)、「そうすると、構成要件Eに\n対応する本件明細書の発明の詳細な説明の上記【0021】、【0022】及び
【0036】は、当業者であれば、明確かつ十分に理解し得るものである。」\n(本件審決15頁9行目ないし同頁11行目)とし、これを基に、同第6の2
(2)ウにおいて、「以上によれば、本件明細書の発明の詳細な説明には、当業者
において、本件発明1に係る物を作り、使用することができる程度に、明確か
つ十分な記載があるから、本件発明1について、本件明細書の発明の詳細な説\n明は、実施可能要件を満たしている。」(本件審決15頁13行目ないし同頁1\n6行目)との結論を示したものである。そうすると、本件審決は、本件明細書
の発明の詳細な説明(特に、段落【0021】、【0022】及び【0036】)
の記載に基づき、実施可能要件を満たす旨を判断する構\成を取っているもので
ある。そして、上記2の検討結果によれば、その判断の内容に誤りはなく、本
件審決の実施可能要件の判断の論理構\成に誤りはない。
したがって、原告の主張する取消事由2は理由がない。
4 取消事由3(実施可能要件の判断の理由不備(理由不存在)・審理不尽)につ\nいて
原告は、取消事由3として、本件審決には、結論のみがあってそれに対応す
る理由が存在しないから、理由不備(理由不存在)、審理不尽又は判断遺脱など
の手続上の瑕疵が存在し、本件審決は取り消されるべきである旨を主張する。
しかし、上記2のとおり、本件審決には、結論に至る過程において、対応する
理由が記載されており、本件審決には、理由不備(理由不存在)、審理不尽及び
判断遺脱の違法は存せず、上記2、3によれば、その理由付けにも誤りはない。
したがって、原告の主張する取消事由3は理由がない。
5 取消事由4(本件発明1の認定・解釈の誤り)についいて
原告は、取消事由4として、本件発明1の構成要件Eについて、特許請求の\n範囲の記載の文言に従って解釈すれば足り、それ以上に限定して解釈したり、
特許請求の範囲に記載されていない事項を導入して解釈したりすることは許さ
れないから、本件審決の本件発明1の認定・解釈は誤りである旨主張する。
原告の主張するところの本件審決における本件発明1の認定・解釈の誤りが、
本件審決を直ちに違法とするものであるかについて明確ではないものの、被告
が主張するとおり、本件発明1の実施可能要件を判断するに当たり、本件発明\n1に対応する本件明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌することは、法70
条1項・2項の規定に基づき当然に行われるべきことであり、原告の主張は前
提を欠くものである。そして、前記2ないし4のとおり、本件審決の判断に技
術常識に反する点もなく誤りはない。
したがって、原告の主張する取消事由4は理由がない
◆判決本文
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