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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

職務発明

◆平成19(ワ)29768 補償金請求事件 特許権 民事訴訟 平成20年12月16日 東京地方裁判所

   原告は、発明者でないとして、職務発明に基づく補償金の請求を棄却しました。
  「発明者は,当該特許請求の範囲の記載に基づいて定められた技術的思想の創作行為に現実に関与した者, すなわち,新しい着想をした者,あるいは新しい着想を具体化した者のいずれ かに該当する者でなければならず,技術的思想の創作行為自体に関与しない者, 例えば,部下の研究者に対し,具体的着想を示さずに,単に研究テーマを与え たり,一般的な助言や指導を行ったりしたにすぎない者,研究者の指示に従い, 単にデータをまとめたり,実験を行ったりしたにすぎない者,発明者に資金や 設備を提供するなどし,発明の完成を援助又は委託したにすぎない者は,発明 者とならない。 ・・・原告は,半導体レーザに非点隔差が存在すること,非点隔差の大きさが半導体レーザの種類によって異なること,非点収差により光ディスク等の使用上の問題が生じることを予測し,その問題を解決する必要があるとの着想を有しており,Bに対し,半導体レーザにおける非点隔差の存在の確認及び分析とその使用上の問題の解決という研究テーマを与えたものであり,上記着想を有していなければ,半導体レーザの非点収差の解決手段を見出すことはできなかった,と主張する。しかしながら,本件発明における技術的課題の具体的な解決手段は,上に述べたとおり,開口数NAが,半導体レーザの非点隔差ΔZ及び波長λとの間で本件条件式に規定される関係を有するレンズを挿入することにより,半導体レーザの非点収差を補正する,という点にある。原告が,半導体レーザの非点収差の存在により生じる光ディスク等の使用上の問題を解決する必要があるとの着想を有し,Bに対し上述のような研究テーマを与えたとしても,抽象的な技術的課題を設定したにとどまり,半導体レーザの非点収差を補正するための具体的な解決手段の着想に関与したということはできない。」

◆平成19(ワ)29768 補償金請求事件 特許権 民事訴訟 平成20年12月16日 東京地方裁判所

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◆平成20(ネ)10039 職務発明の対価請求控訴事件 その他民事訴訟 平成20年10月29日 知的財産高等裁判所

  職務発明に関する対価について、時効成立とした1審判決を取り消し、差し戻しました。
   「原審の東京地裁は,平成20年2月29日,控訴人の実績補償に係る相当対価請求権は,本件発明1については実施開始時である平成5年10月7日が,本件発明2については設定登録時である平成6年4月11日がそれぞれ起算点となり,控訴人が履行を請求した平成19年2月1日までに10年以上が経過したから,上記相当対価請求権は時効により消滅したとして,当該相当対価の額について判断することなく,控訴人の本訴請求を棄却した。そこで,これを不服とする控訴人が本件控訴を提起した。 ・・・職務発明について特許を受ける権利等を使用者等に承継させる旨を定めた勤務規則等がある場合においては,従業者等は,当該勤務規則等により,特許を受ける権利等を使用者等に承継させたときに,相当の対価の支払を受ける権利を取得する(特許法旧35条3項)。対価の額については,同条4項の規定があるので,勤務規則等による額が同項により算定される額に満たないときは同項により算定される額に修正されるが,対価の支払時期についてはそのような規定はない。したがって,勤務規則等に対価の支払時期が定められているときは,勤務規則等の定めによる支払時期が到来するまでの間は,相当の対価の支払を受ける権利の行使につき法律上の障害があるものとして,その支払を求めることができないというべきである。そうすると,勤務規則等に,使用者等が従業者等に対して支払うべき対価の支払時期に関する条項がある場合には,その支払時期が相当の対価の支払を受ける権利の消滅時効の起算点となると解するのが相当である(最高裁平成15年4月22日第三小法廷判決・民集57巻4号477頁参照)。」

◆平成20(ネ)10039 職務発明の対価請求控訴事件 その他民事訴訟 平成20年10月29日 知的財産高等裁判所

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◆平成19(ネ)10008 職務発明対価支払等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成20年05月14日 知的財産高等裁判所

 職務発明に基づく対価として4500万が認められました。
 

◆平成19(ネ)10008 職務発明対価支払等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成20年05月14日 知的財産高等裁判所

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◆平成18(ワ)24193 補償金請求事件 特許権民事訴訟 平成20年02月20日 東京地方裁判所

   職務発明完成における使用者等の貢献度として、95%が認定されました。
 「本件発明が完成した経緯は,上記のとおりであり,本件発明の完成には, 被告が電電公社のファミリー企業の一員であることが大きく貢献しているも のといわなければならない。すなわち,被告が,電電公社がテレフォンカー ド式公衆電話機の開発をしているとの情報を入手したこと,電電公社に社員 を訪問させ,電電公社から,上記開発の内容についての説明及び電電公社発 明の内容の開示を受けたこと,電電公社の上記開発に参加したい旨の被告の 申入れが電電公社に了承されたことが,いずれも本件発明が完成した不可欠の要因と解されるところ,上記の各事実は,被告が電電公社のファミリー企\n業であることによって可能となったものということができる。特に,前記2で判示したように,本件発明は,電電公社発明の改良発明であるから,被告\nが,電電公社から,電電公社発明の内容の開示を受けなければ,原告及び乙 が本件発明を完成させることは困難であったことは明らかであるところ,電 電公社発明の開示を受けられたのは,被告が電電公社との間に,密接な関係 を築き上げてきたことによるのであり(被告は,電電公社から,その特許出 願前に,電電公社発明の開示を受けているが,このようなことは通常では考 え難いことであり,被告と電電公社との関係が相当に密接なものであったこ とが伺われる。),この点の被告の貢献は極めて大きいものといえる。 ・・・以上の事情を総合考慮すると,本件発明に関する被告の貢献度は,95パ ーセントと認めるのが相当である。」

◆平成18(ワ)24193 補償金請求事件 特許権民事訴訟 平成20年02月20日 東京地方裁判所

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