吹矢に関する特許侵害の損害認定について、101条1項、2項に基づき約3600万円の請求が認められました。
以上によれば,被告製品は,そのほとんどが吹矢協会と関係がある需要
者により購入されたと認めることが相当である。そして,被告製品は,吹
矢協会の関係者において吹矢協会の公認用具であることを理由として購
入された割合が相当に高いと認められる。原告の製造販売する吹矢用具は
令和2年12月1日以降は吹矢協会の公認用具でなかったから上記の理
由で購入された被告製品の需要の全てが原告の製造販売する吹矢の矢に
向かうとは認められない。他方,原告の製造する吹矢の矢については,吹
矢協会の公認がなくとも購入するとする者もいたことがうかがわれ,被告
製品の需要が全く原告の製造販売する吹矢用具に向かわないとはいえな
い。
被告は,原告の吹矢用具が吹矢協会の公認用具でないことを理由として
令和2年12月1日以降の被告の売上げについての推定覆滅を主張する
ところ,上記事情に照らせば,同日以降の利益については,65%の割合
で損害額の推定が覆滅すると認めるのが相当である。
◆判決本文