知財みちしるべロゴマーク
知財みちしるべトップページへ

更新メール
購読申し込み
購読中止

知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

102条3項

平成25(ワ)32555  特許権侵害差止等請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年3月18日  東京地方裁判所

 時効にかかった分は不当利得として認められました。
 よって,本件特許権の設定登録日(平成19年6月8日)から平成26年10月28日までの間の被告による本件特許権の実施に基づいて,原告が被告から受けるべき金銭の額は,上記アないしウの合計額である6372万8115円となる。
(5) 消滅時効につき
前記第2,2(9)及び(10)のとおり,原告は,平成25年9月11日に,被告に対し,被告装置が本件特許権を侵害するとしてその損害賠償を求める通知をし,その後,当該通知から6か月以内である同年12月11日に本件訴訟を提起したところ,本件訴訟において,被告は,本件特許権の侵害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権について3年の消滅時効を援用しており,原告もそれを争っていない。 そうすると,特許権侵害の不法行為に基づく原告の被告に対する損害賠償請求権は,上記通知から3年を遡る平成22年9月10日までの侵害行為に係る分については,時効により消滅したものと認められる(民法147条1号,153条,724条)。 前記(4)のとおり,平成19年6月8日から平成26年10月28日までの間の損害賠償額は6372万8115円であるところ,これを期間により按分すると,消滅時効にかかる平成22年9月10日までの額が2811万1180円,消滅時効にかからない同月11日以降の額が3561万6935円となる。前者については,不法行為に基づく損害賠償請求権としては時効により消滅しているため,不当利得返還請求権として認容すべきこととなる。

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 102条3項

▲ go to TOP

 平成25(ワ)6414  特許権侵害差止等請求事件  特許権  民事訴訟 平成27年2月26日  大阪地方裁判所

 特許権侵害として7%の実施料相当額が認められました。
 イ 上記認定事実を前提にすると,被告が受注した同種システムの中で,被告装置を備えるものは多くなく,常に一体として販売されているとは いえないこと,被告装置自体の売上額も,被告装置を備えるシステム総売上額27億4337万5000円の中の2億4834万9000円と,約9%であることからすれば,被告が受注したパワートレイン開発,計測等のシステム全体をもって,本件特許発明の実施に該当すると解するのは相当ではない。 また,被告システムにおける排ガス分析計であるAMAi60は,被告装置と組み合わせて使うことが予定されているものであるが,独立した装置であり,被告装置とは別に,システムの一部要素として構\成されていることが認められるから(別紙受注一覧取引番号3ないし6,甲6,乙6の2),本件特許発明の技術的範囲に属する被告装置の一部と評価できるものではない。 よって,本件特許発明の実施料の対象として捉えるべきものは(特許法102条3項),被告装置自体の受注額であると解される。
ウ 前記認定事実を前提に,本件特許発明の実施に対し原告が受けるべき額について検討するに,被告装置の受注額を基礎に,本件特許発明の実施料を算定すべきであることは前述のとおりであるが,被告装置と排ガス分析計AMAi60とが組み合わせて販売されており,一定限度,被告装置の販売は,AMAi60の販売に寄与していると評価することができるから,この点を使用料率の算定にあたって考慮することはできるものと解する。 また,被告装置を含むものとして受注したパワートレイン開発,計測等のシステムは,1件あたりの受注額の平均が4億円以上となる大規模なものであること,システム全体のうち,排ガス測定機器の関係について,原告と被告は競合していること,被告において,原告のCVS装置をシステムに組み込むこともある中で,温調機能を有する被告装置を含む発注を受けているのであるから,被告装置の存在は,システム全体の\n受注に一定限度寄与しているというべきであり,前述のとおり,被告装置の受注額を基礎に本件特許発明の実施料を算定するとしても,その料率の関係では,この点を考慮するのが相当である。 さらに,本件特許発明は,サンプリング流路全体とともにサンプルバッグを加熱するという比較的単純な構成からなるものであるから,競合関係にある被告にとって,被告装置が本件特許の侵害となるか否かの検討は容易であると考えられ,前述のとおり,原告のCVS装置も選択可能\な中で,あえて温調機能を有する被告装置を含むシステムを受注したのであるから,この点は,実施料率を算定するに当たって考慮すべき事情と解される。\n以上を総合すると,本件特許発明の実施に対し原告が受けるべき実施料としては,被告装置の受注額の7%とするのが相当である。
エ そうすると,原告が特許法102条3項により受けるべき金銭の額は,被告装置の受注額の7%,別紙損害算定表の実施料相当額欄記載のとおりとなり,合計1738万4430円と認めるのが相当である。\n

◆判決本文

関連カテゴリー
 >> 賠償額認定
 >> 102条3項

▲ go to TOP