2020.12. 7
使用証明として「奥西木工」の文字部分が記載されていない証明書を提出しました。審決は当該部分が出所表示機能\を有する要部であるとして登録を取り消しました。知財高裁(2部)も同じく使用証明として認めませんでした。登録商標は判決本文内に参照されています。
1 本件商標のうち,「奥西木工」の文字部分が,出所表示機能\を有する要部に当
たるかについて
本件商標は,前記第2の1のとおり,全体が一様に朱色の家具の催事についての
広告チラシを縮小した構成からなり,その上部には,上が欠けた円図形の内側に大\nきな赤い文字で「大処分」と記載され,その右側に「キズ物 半ぱ物 山積」と記
載された白抜きの将棋の駒様の図形を配し,さらに,上記円図形の右内側に大きく
「家具」の文字が記載され,内側に家具の絵が配されており,上記円図形の左上に
「京都最大の家具専門店奥西木工の魅力あるキズもの」と大きく記載され,同図形
の上に「キズ物市」とより大きく記載され,同図形の左には「大放出」と大きく記
載されており,その下部には,矢印と共に「うら面へつづく」と記載され,最下部
には赤色の長方形の中に白抜き文字で「奥西木工」等の文字が記載されているもの
である。
上記のような本件商標の構成からすると,本件商標に接した需要者,取引者は,\n本件商標が,「キズ物市」という家具の催事についてのチラシであると認識すると認
められるところ,「大処分」,「家具」,「キズ物市」,「大放出」といった記載や家具の絵は,販売される商品や催事の内容などを表すものと認識されるのであって,本件\n商標には,「奥西木工」の文字部分以外に,本件商標に記載された各商品(家具)の
出所を示すような表示はない。そうすると,本件商標に接した需要者,取引者は,\n「奥西木工」の記載をもって,指定商品である家具の出所を表示するものとして認\n識するものと認められ,「奥西木工」の文字部分は,要部であるというべきである。
・・・
そうすると,本件チラシ1は,その全体のレイアウトは,本件商標と共通する部
分があるものの,本件チラシ1のいずれにも本件商標の要部である「奥西木工」と
いう文字部分がなく,「タキソウパルクス刈谷店」,「タキソ\ウ家具」,「タキソウ家具本店」,「タキソ\ウパルクス吉原店」などとの記載があるのみであるから,本件チラ
シ1に記載された本件使用商標1は,本件商標とは外観が大きく異なる上,本件商
標から生じる「オクニシモッコウ」などの称呼や「奥西木工の主催するキズ物市」
といった観念も本件使用商標1からは生じない。以上からすると,本件使用商標1が,本件商標と社会通念上同一ということはできない。
◆判決本文