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2023.10.31
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>> 誤認・混同
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2023.08.13
◆令4(行ケ)10035号(GUZZILLA)事件まとめ
以上によれば、引用商標は周知著名であって、「ゴジラ」を欧文字表記したにとどまらない点を含め、その独創性の程度も高いというべきであ\nる。
(4) 商品の関連性の程度、取引者及び需要者の共通性
ア 商品の関連性の程度
本件商標の指定商品は、第7類「パワーショベル用の破砕機・切断機・
掴み機・穿孔機等のアタッチメント」であり、土木機械の一種である動力
ショベル用の附属装置(アッタッチメント)であって、示された破砕、切
断、掴み、穿孔等の土木作業の用途によって交換される動力ショベル専
用の装置であり、土木に関する専門的・職業的な分野において使用され
る機械器具である。
これに対し、被告の主な業務は、映画の制作・配給、演劇の制作・興行、
不動産経営等のほか、キャラクター商品等の企画・制作・販売・賃貸、著
作権・商品化権・商標権その他の知的財産権の取得・使用・利用許諾その
他の管理であり(甲159)、多角化している。被告は、百社近くの企業
に対し、引用商標の使用を許諾しているところ、その対象商品は、人形や
ぬいぐるみなどの玩具、文房具、衣料品、食料品、雑貨、遊戯具等、多岐
にわたるほか、宣伝広告等にも使用を許諾している(甲12、83、85
〜102、169〜181(枝番を含む。))。
また、被告は、平成17年以降、複数の大手ゼネコンから、工事現場や
工事中の壁面に引用商標を含むゴジラの表示やロゴ等を使用することにつき許諾を求められたり、あるいは実際にその許諾をするなど、本件商\n標の指定商品である作業現場で使用される動力ショベルのアタッチメン
トと同じか、あるいはこれに近い分野である、産廃業、解体業及び建築業
等について引用商標の使用許諾を行うなどしてきた(甲195〜212、
乙1、2、6〜17(枝番を含む。))。
その中には、住宅やビルの解体を手掛ける業者において、「ゴジラvs
コング(GODZILLA vs KONG)」として、「GODZIL
LA」を「破壊神」としてタイアップCMを放送したり、クレーン車が建
築物を運搬する場面が映画「ゴジラvsコング(GODZILLA v
s KONG)」の映像とともにCMとして放送するなどの企画もあった(乙6〜9、12、13)。
被告が引用商標の使用を許諾した商品等のうち、玩具、文房具、衣料
品、食料品、雑貨等については、日常生活で、一般消費者によって使用さ
れる物であるから、性質、用途及び目的における関連性の程度は高くは
ないものの、被告は、産廃業、解体業及び建築業等の業種にも引用商標の
使用を許諾するなどしているところ、これらは、本件商標の指定商品の
取引者・需要者と同じかこれと近い分野ないし業態であり、本件商標の
指定商品と共通する取引者・需要者も一定数存するものというべきであ
る。
よって、本件商標の指定商品は、被告の業務に係る商品等と比較した場
合、性質、用途又は目的において一定の関連性を有するものが含まれて
いるというべきである。
イ 取引者及び需要者の共通性
本件商標の指定商品は、第7類「パワーショベル用の破砕機・切断機・
掴み機・穿孔機等のアタッチメント」であり、土木機械の一種である動力
ショベル用の附属装置(アタッチメント)であって、示された破砕、切
断、掴み、穿孔等の土木作業の用途によって交換される動力ショベル専
用の装置であり、土木に関する専門的・職業的な分野において使用され
る機械器具である。なお、土木に関する機械器具においても、レンタルが
行われているものであるから(乙33、34、41〜49)、その取引者
は、これらの器具の製造販売や小売り、レンタル等を行う者である。
また、被告が引用商標の使用を許諾した玩具、雑貨、遊戯具等について
は、その需要者は一般消費者であり、その取引者は、これらの商品の製造
販売や小売り等を行う者であるが、被告が引用商標の使用を許諾した産
廃業、解体業及び建築業等については、本件商標の指定商品の取引者・需
要者と同じかこれと近い分野ないし業態であり、本件商標の指定商品の
取引者及び需要者の中には、被告から使用許諾を受けて事業を営む者の
業務に係る商品等の取引者及び需要者と共通する者が含まれる。そして、
商品の性質、用途又は目的を考慮しても、これら共通する取引者及び需
要者は、商品の性能や品質のみを重視するとまでいうことはできず、使用許諾関係も含む商品等に付された商標に表\れる業務上の信用をも考慮して取引を行うというべきである。
(5) 出所混同のおそれ
以上のとおり、「混同を生ずるおそれ」の有無を判断するに当たっての
各事情について、取引の実情などに照らして考慮すれば、本件商標の指定
商品に含まれる専門的・職業的な分野において使用される機械器具と、被
告の業務にかかる商品等との関連性の程度が非常に高いとはいえない。
しかし、本件商標と引用商標とは、称呼において相紛らわしいものであ
って、外観においても相紛らわしい点を含むものであることから、その類
似性の程度は高く、引用商標は周知著名であって、その独創性の程度も高
い。さらに、被告の業務は多角化しており、本件商標の指定商品に含まれ
る商品の中には、被告の使用許諾に係る商品及び業務等と比較した場合、
性質、用途又は目的において一定の関連性を有するものが含まれる。加え
て、これらの商品の取引者及び需要者と、被告の業務に係る商品の取引者
及び需要者とは共通し、これらの取引者及び需要者は、取引の際に、商品
の性能や品質のみではなく、商品等に付された商標に表\れる業務上の信用
をも考慮して取引を行うものということができる。
そうすると、本件商標の指定商品についても、本件商標を使用したとき
に、当該商品が被告又は被告との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊
密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信されるおそれがあ\nるものが含まれるというべきである。
よって、本件商標は、法4条1項15号にいう「混同を生ずるおそれ」
のある商標として、法46条1項の規定により無効とされるべきである。
(6) 原告の主張に対する補足的判断
ア 取消事由1(引用商標が周知著名な商標に当たるとした認定及びこれ
に基づく判断の誤り)について
原告は、本件商標の指定商品は「第7類 パワーショベル用の破砕機・
切断機・掴み機・穿孔機等のアタッチメント」であるから、その取引者及
び需要者は、土木機械の一種である動力ショベル用の附属装置(アタッ
チメント)を使用する土木関連分野の業務に従事する専門業者及び当該
機械器具の製造販売やリースを行う者であり、特殊特定分野の業務に従
事する専門業者であるところ、被告及びそのライセンシーは、引用商標
を使用して本件商標の指定商品である「第7類 パワーショベル用の破
砕機・切断機・掴み機・穿孔機等のアタッチメント」を製造販売しておら
ず、引用商標が日本国内の広範囲にわたって本件商標の指定商品を使用
する土木関連分野の業務に従事する専門業者及び当該機械器具の製造販
売やリースを行う者の間に知られるようになったということはできない
から、本件審決の判断は誤りである旨を主張する。
しかし、引用商標の周知著名性についての認定及び判断は前記(3)のと
おりであり、これが本件商標の指定商品の取引者及び需要者について変
わるところがあるものとは認められず、引用商標は周知著名であるとい
うことができる。
◆判決本文
関連事件です。
別訴
◆令和1(行ケ)10167
不競法の侵害訴訟事件
1審
◆令和1(ワ)26105
控訴審
関連カテゴリー
>> 商4条1項各号
>> 誤認・混同
>> ピックアップ対象
2023.07. 5
◆判決本文
関連事件です。
◆令和2(ネ)10060
本件商標の不使用取消審判の審取です。
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>> 商4条1項各号
>> 誤認・混同
>> 商標その他
>> ピックアップ対象
2023.04.10
◆判決本文
原告被告商品、本件商標は下記へ。
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>> 誤認・混同
>> 商標その他
>> 周知表示(不競法)
>> ピックアップ対象
2023.03.31
◆登録5438059
ア 前提事実(6)のとおり、被告は、被告商品の販売によって合計515万0140円の利益
を得たことから、同金額が被告の商標権侵害によって原告が受けた損害の額と推定される
(商標法 38 条 2 項)。
イ もっとも、原告商品は、その販売価格がバーキンにおいては 100 万円を、ケリーに
おいては 50 万円を超えるものが大半という高級ハンドバッグである(前提事実(2))。他方、被告商品の販売価格はいずれも 1 万 5180 円であり(前提事実(6))、その価格差が大きいことは多言を要しない。また、証拠(甲 23、乙 1)及び弁論の全趣旨によれば、バーキンには複数のサイズのものがあるものの、最も小さいサイズのものの横幅は 25cm であるのに対し、被告商品 1 の横幅は 20cm であることが認められる(なお、ケリーも、横幅が cmのものを最小として複数のサイズのものが販売されており、他方、被告商品 2 の横幅は20cm である。甲 1、52)。
商標権は、特許権等の他の工業所有権とは異なり、それ自体に創作的価値があるもので
はなく、商品又は役務の出所である事業者の営業上の信用等と結びつくことによってはじめて一定の価値が生じるという性質を有する。このため、商標権が侵害された場合に、侵害者の得た利益が当該商標権に係る登録商標の顧客吸引力のみによって得られたものとは必ずしもいえない場合が多い。本件のようなハンドバッグの場合、需要者の購買動機の形成に当たっては、当該商品の属するブランドはもとより、その販売価格も考慮され、また全体のデザイン及びサイズといった要素も、デザイン性ないしファッション性の側面のみならず機能面からも考慮されると考えられる。これらの点を踏まえると、原告商標ないし原告商品の周知著名性からそのブランド及び全体のデザインが需要者の購買動機形成に及ぼす影響は相当に大きいとみられるものの、販売価格並びにデザイン及びサイズにおける相違が及ぼす影響もなお無視し得ず、上記推定を覆滅すべき事情として考慮するのが相当である。また、被告商品と同じ価格帯で「バーキン風」、「ケリー風」などと称するハンバッグが市場において取引されている事実が認められるところ(乙 17〜20、28、29)、これらの全てが原告商標権の侵害品であるとは必ずしも考えられず、侵害品でないものが含まれる可能性も少なからずうかがわれる。このうち原告商標権の侵害に当たるものがどの程度存在するかは必ずしも判然としないところ、他に原告商標権の侵害品が存在することを推定覆滅事由として考慮することは相当でないものの、上記事情は推定覆滅事由として一応考慮するのが相当である。さらに、バーキンの内側には、被告商品 1 にはないファスナーポケットが設けられていることが認められるところ(弁論の全趣旨)、その有無は、デザイン性という点では需要者の購買動機の形成に必ずしも寄与しないとしても、収納性という機能面の一要素としては考慮し得るものといえる。他方、被告は、ファッションショーへの出展、独自ブランドの商品販売、全国の主要都\n市への出店、SNS での宣伝活動等の営業努力をしていることが認められる(乙 21〜27)。
もっとも、これらの営業努力は、通常の営業努力の範囲を超える特別なものとまではいえないことから、この点を推定覆滅事由として考慮するのは相当でない。
ウ 以上の事情を総合的に考慮すると、被告商品の利益の額に対する原告商標の貢献割
合については、いずれも8 割と認めるのが相当である。これに反する原告の主張は採用できない。
したがって、本件における上記損害額の推定は 2 割の限度で覆滅されるから、被告の原
告商標権侵害による原告の損害額は、被告商品 1 及び 2 の各販売利益の額(276 万 2740 円及び 238 万 7400 円)のそれぞれ 8 割に相当する 221 万 0192 円及び 190 万 99円の合計412万0112 円と認められる。
エ これに対し、被告は、原告商品と被告商品との価格差、被告商品と同じ価格帯の原
告商品を模した商品の存在、被告商品の販売利益に対する被告の営業努力の貢献、原告商品と被告商品とのサイズやファスナーポケットの有無といった機能性の違い等を指摘し、被告商品の販売によって原告に損害が発生することはなく、仮に損害が発生したとしても少なくとも 95%の推定覆滅が認められる旨主張する。
しかし、原告商品と被告商品は、いずれも主に女性を需要者とするハンドバッグであり、販売方法には共通点があり、かつ、需要者にとってその形状(全体のデザイン)は購買動機を形成する主な要素の 1 つであるところ、原告商品と被告商品は形状が類似している
いった事情を踏まえると、被告が主張する上記各事情を踏まえても、原告商品と被告商品の顧客層には一定の重なり合いが認められるのであって、被告商品の販売によって原告に損害が発生すると認められる。また、これらの事情が商標法 38 条 2 項による推定を覆滅する程度については、上記のとおりである。
したがって、この点に関する被告の主張は採用できない。
(2) 信用毀損による無形損害の額
原告は、高級ハンドバッグである原告商品の大半を、バーキンについては 100 万円以上、ケリーについては 50 万円以上という価格で販売している(前提事実(2))。他方、被告は、原告商品と形状において類似するものの、原告商品には使用されない安価な合成皮革等を用いて製作された被告商品を、1 個 1 万 5180 円で、百貨店の店舗や自社の運営する EC サイト等を通じて、令和元年 12 月 日から令和 3 年 2 月 13 日までの 1 年余りの間に、合計398 個(被告商品 1 が 214 個、被告商品 2 が 184 個)販売した(前提事実(6))。このような被告の行為は、高級ハンドバッグとしての原告商品及びこれを製造販売する原告のブランド価値すなわち信用を毀損するものであり、これによる原告の無形損害の額は 100 万円を下らない。無形損害の額に関する原告の主張は採用できない。
また、被告は、原告商品と被告商品との購買層の違いや、原告商品を模したハンドバッ
グが全国各地で廉価で販売されているのは周知の事実であることなどを指摘して、原告の信用毀損はない旨を主張する。しかし、仮にこれらの事情があるとしても、原告商標及び原告商品の周知著名性を考慮すると、その違いゆえに原告の信用が毀損されないという関係にはない。この点に関する被告の主張は採用できない。
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2023.03.20