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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

役務

平成27(行ケ)10096  審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年1月13日  知的財産高等裁判所

 特許庁の審査基準では、備考類似の商品役務については、第三者から申立があった場合に、判断されます。「プログラムの提供等」と「プログラム」が類似関係にあると判決も認めました。
 本件において,引用商標の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」には,「電 子計算機用プログラム」が含まれるところ,遅くとも本件商標の出願時には,電子 計算機用プログラムは,記録媒体に記録された電子計算機用プログラムとして店頭 にて販売されていたのみならず,インターネットを通じたダウンロードにより流通 されており,さらには,インターネット等の通信回線を通じ,サーバ上に保管され た電子計算機用プログラムを使用させる役務として提供されていたものと認められ る(甲132)。 一方,本件商標の指定役務中「ウェブログの運用管理のための電子計算機用プロ グラムの提供等」の役務で提供される内容は,いずれも「電子計算機用プログラム」 であるから,商品「電子計算機用プログラム」の製造・販売者がかかる役務の提供 を行うことも少なくないものと考えられる。また,商品「電子計算機用プログラム」 の需要者と,役務「電子計算機用プログラムの提供」の需要者は,いずれも,コン ピュータ等を用いて電子計算機用プログラムを使用する者であるから,共通すると いえる。さらに,上記認定のとおり,電子計算機用プログラム自体の流通と,電子 計算機用プログラムの提供とは,共にインターネット等の通信回線を通じて行われ ることもあると解されるから,取引形態も共通する。そして,これらの事情は,電 子計算機用プログラムの用途の内容,例えば,ウェブログの運用管理,オンライン によるブログ作成,インターネット上の情報閲覧などに限られるか否かによって異 なるものとは認められない。 したがって,商品「電子計算機用プログラム」と役務「ウェブログの運用管理の ための電子計算機用プログラムの提供等」とに同一又は類似の商標を使用する場合 は,同一営業主の製造若しくは販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそ れがあると認められる関係があるといえる。
(2) これに対して,原告は,引用商標の指定商品「電子応用機械器具及びその 部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」はあくまでも電子応用機械器具の部 品としてのプログラムに限られるから,ウェブサイト上でのコンピュータプログラ ムの提供などとは類似しない,と主張する。 しかし,仮に,特定分野の電子計算機用プログラムが商品としてのみ流通してお り,ウェブサイト上などでは提供されてはいないという状況があったとしても,一 般的には,前記認定のとおり,電子計算機用プログラムが,インターネット等を通 じてダウンロードにより流通されると同時に,サーバ上に保管された電子計算機用 プログラムをインターネット等の通信回線を通じて使用させる役務として提供され ていたものと認められる。商品としてのみ流通している電子計算機用プログラムと, ウェブサイト上などでも電子計算機用プログラムが提供されている場合とで,その 製造・販売・提供者や商品・役務の内容,それぞれの需要者が異なると認めるに足 りる証拠はない。したがって,商品「電子計算機用プログラム」と役務「ウェブロ グの運用管理のための電子計算機用プログラムの提供等」とに同一又は類似の商標 を使用する場合は,同一営業主の製造若しくは販売又は提供に係る商品又は役務と 誤認されるおそれがあると認められる関係があるといえる。

◆判決本文

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