同日出願について商標法は協議できない場合には、くじで先願者を決めますが、同日に3件の出願があり(内2件は本件原告の出願で類16類指定と14類指定が異なります)、くじが実施されました。本件原告の出願は第1順位(16類)と第3順位(14類)となりました。第2順位の出願人(複数区分出願16類+14類)は、第1順位(14類)の商品とは非類似の商品に限定する補正を行いました。その結果、本件原告の出願のうち、第3順位の出願(14類)については、第2順位の他の出願により拒絶されました。
裁判所は、かかる審決を維持しました。
「同日出願の関係にある商標登録出願があったことによる拒絶理由通知を受けた商標登録出願人は,拒絶理由があるとされた指定商品以外の指定商品について,商標法10条1項の規定に基づいて新たな商標登録出願をしたり,また,拒絶理由があるとされた指定商品について,同法68条の40第1項の規定に基づいて願書からこれを削除する補正をしたりすることにより,出願した指定商品の一部がそのほかの商標登録出願と競合するために全体が拒絶されるという不利益を免れることができる。そうであれば,同日出願の関係にある3以上の商標登録出願があったときにおいて,特許庁長官がくじにより優劣の順位を定めたとしても,商標登録出願人の利益が害されることはない。」
◆H17.11. 8 知財高裁 平成17(行ケ)10426 商標権 行政訴訟事件