プログラムを違法複製して授業をしていたコンピュータスクールとその代表取締役が、複製権侵害などを問われました。争点は複製数と損害額です。
前者(複製数)については、「本件プログラムのインストールを直接確認できたコンピュータはもとより、そのインストールの痕跡があるコンピュータについても、本件プログラムの複製の事実を推認させるものということができる」と認定しました。
また、後者については、原告は、”標準小売価格の2倍”を主張しましたが、裁判所は、”不法行為による損害賠償の制度は、直接にそのようなことを目的とするものではない・・・プログラムの違法複製について、原告らの主張(プログラムの正規品購入価格より高額の金銭を支払うべきものとすること)を根拠付けるような実定法上の特別規定があるわけではないし、そのような内容の社会規範が確立していると認めるべき証拠もない。・・・一方、被告らは・・・卸売価格相当額である旨を主張するが、違法行為を行った被告らとの関係で、適法な取引関係を前提とした場合の価格を基準としなければならない根拠を見い出すことはできない。”として、”原告らが受けるべき金銭の額に相当する額(著作権法114条2項)としては、本件プログラムの標準小売価格を基準として算定すべき”としました。
ほぼ同様の判断をおこなったLEC事件です。
◆H13. 5.16 東京地裁 平成12(ワ)7932 著作権 民事訴訟事件
こちらはLEC事件とは違う判断をおこなった事件です。
◆H14.10.31 東京地裁 平成13(ワ)22157 著作権 民事訴訟事件
◆H15.10.23 大阪地裁 平成14(ワ)8848 著作権 民事訴訟事件
2003.02. 3
プログラムの著作物について、複製ないし翻案したか否かが争われました。裁判所は、判決理由にて、「原告プログラムの創作性を有する本質的な特徴部分を直接感得することもできない」と翻案に対する判断基準に言及しました。
◆H15. 1.31 東京地裁 平成13(ワ)17306 著作権 民事訴訟事件