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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

プログラムの著作物

◆H14. 8.30 東京地裁 平成13(ワ)23818 著作権 民事訴訟事件

   最高裁の判断がでましたので、地裁レベルから紹介します。争点は、ゲーム中のキャラクター「かすみ」について,裸体の「かすみ」を選択できるようにメモリーカード上のパラメータ・データを編集できるプログラム(以下「本件編集ツール」という。)を収録したCD−ROMを販売する行為が、同一性保持権を害するか否かです。

 東京地裁は、「被告は,そのような本件編集ツールを使用して作成した本件メモリーカードを使用して,本件裸体画像を表示させる者がいることを予\期して,本件編集ツールを含む本件CD−ROMを多数販売し,その結果,ユーザーが被告の指示した方法に従って機器を操作することによって本件メモリーカードを作成し,それを通常のメモリーカードの使用方法に従って使用することにより,本件裸体画像が表示され,本件ゲームソ\フトが改変されたものと認められるから,本件CD−ROMに本件編集ツールを収録して販売し,その使用を意図して流通に置いた被告は,本件メモリーカードの使用による本件ゲームソフトの同一性保持権の侵害を惹起したものとして,民法709条の不法行為に基づく損害賠償責任を負うと解するのが相当である」と判断しました。

 控訴及び上告されましたが、いずれの棄却です。

 控訴審では、「本件ゲームソフトにおいて,「かすみ」のコスチューム数を記録しているアドレス13E0Fに7というデータを収録し,これをPS2に読み込んでプレイすること,すなわち,「ストーリーモード」の対戦画面において「かすみ」が本件裸体影像で対戦相手と戦闘することは,本件ゲームソフトの対戦画面の影像ないしゲーム展開が,本来予\定された範囲を超えたものと認められる・・・本件メモリーカードの使用は,本件ゲームソフトを改変し,本件同一性保持権を侵害するものというべきであるところ,本件編集ツールは,本件編集による本件メモリーの作成のみを目的とするものであるから,専ら本件ゲームソ\フトの改変のみを目的とするものと認めることができ,これを収録した本件CD-ROMを販売し,他人の使用を意図して流通においた控訴人は,他人の使用による本件同一性保持権の侵害を惹起したものとして,被控訴人に対し,不法行為に基づく損害賠償責任を負うものというべきである」と認定されました。

   高裁判断です。◆H16. 3.31 東京高裁 平成14(ネ)4763 著作権 民事訴訟事件

◆H14. 8.30 東京地裁 平成13(ワ)23818 著作権 民事訴訟事件

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◆H16.11.24 東京高裁 平成14(ネ)6311 不正競争 民事訴訟事件

   コンピュータゲームについての翻案か否か等が争われました。裁判所は本質的創作部分を認定して、翻案にあたらないと判断しました。
 「翻案権とは,原著作物を利用して創作性を加え,別個の著作物を創作する権利であるから,二次的な著作物に新たな表現が付加されたからといって,直ちに翻案該当性が否定されるわけではない。しかしながら,新たな表\現が付加されることにより,二次的な著作物が原著作物との同一性を失い,これに接する者が著作物全体から受ける印象を異にすると認められるときは,二次的な著作物から原著作物の創作的特徴を直接感得することはできないから,その二次的著作物はもはや原著作物の複製ないし翻案ということはできないと解すべきである。」

   原審です。H14.11.14 東京地裁 平成13(ワ)15594 不正競争 民事訴訟事件

◆H16.11.24 東京高裁 平成14(ネ)6311 不正競争 民事訴訟事件

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