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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

著作物

◆H15.10.30 大阪地裁 平成14(ワ)1989等 著作権 民事訴訟事件

 高級注文住宅が建物の著作物または不競法に規定する商品形態か、また、そのパンフレットは写真の著作物かが争われました。
 裁判所は、建物の著作権侵害、不競法による保護は認めませんでした。
  「原告建物は、前記認定によれば、通常の一般住宅が備える美的要素を超える美的な創作性を有し、建築芸術といえるような美術性、芸術性を有するとはいえないから、著作権法上の「建築の著作物」に該当するということはできない。」「原告建物と被告建物は、その外観において相違があり、形態が同一ないし実質的に同一であるとはいえないから、被告建物が原告建物を模倣した商品であると認めることはできない」。
   なお、パンフレットについては「被告写真は原告写真に依拠して原告写真を複製して作成されたものである」と写真の著作権侵害と判断しました。  

◆H15.10.30 大阪地裁 平成14(ワ)1989等 著作権 民事訴訟事件

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◆H15. 7.11 東京地裁 平成14(ワ)12640 著作権 民事訴訟事件

 封筒や便箋に表示した動物や植物のカットが著作物であるか、著作物だとして、複製等に該当するかが争われました。
 裁判所は、著作物性については、「その複製物をこれらの分野の商品の絵柄等として用いることを予め想定して作成される作品であっても,当該作品が独立して美的鑑賞の対象となり得る程度の美的創作性を備えている場合には,著作権法上の著作物として同法による保護の対象となり得るものと解するのが相当である。」と認めましたが、「被告著作物から原告著作物(1)の創作的特徴が直ちに感得できるとはいえない。・・・類似すると認めることはできない。」と原告著作物の複製であることを否定しました。
 また、「・・・単純化は,多くの絵画に見られるありふれた表現方法というべきであるから,原告著作物(1)において創作性の存する特徴的な部分は,あくまで金魚と水草(緑色円形)の具体的配置や,細部の表現方法にあるというべきである。また,原告著作物(1)と被告著作物(1)の1,2は,いずれも,封筒及び便箋に用いるためのデザインという性質上,中央部に筆記用の空白をとらざるを得ないという制約を有するものである。上記によれば,上記?@ないし?Bの点は,原告著作物(1)と被告著作物(1)の1,2の類似性を肯定する根拠となるものではない」とも述べました。

 

◆H15. 7.11 東京地裁 平成14(ワ)12640 著作権 民事訴訟事件

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◆H15. 7.18 東京高裁 平成14(ネ)3136 著作権 民事訴訟事件

 テキストの説明部分が,著作物性を有するのかが争われた事件です。
  裁判所は、「文章,写真及び図を一体不可分のものとして,ほぐしの各類型を初学者にも分かりやすく説明するものであり,「思想又は感情を創作的に表現したもの」として創作性を認めることができることは上記のとおりであって,本件著作物の一般的注意事項も,文章によってほぐしの一般的注意事項を分かりやすく説明したものとして創作性を認めることができる」と述べました。
原審はこちらです。◆H14. 4.16 東京地裁 平成12(ワ)15123 著作権 民事訴訟事件  

◆H15. 7.18 東京高裁 平成14(ネ)3136 著作権 民事訴訟事件

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◆H15. 2.26 東京地裁 平成13(ワ)12339 著作権 民事訴訟事件

  宗教法人の代表の上半身の撮影した写真をビラに掲載した行為が、写真の著作権を侵害か否かについて争われました。
当該写真は著作物を有するか、また、その著作物性があるとして引用として認められるかが争点となりました。
 裁判所は、「スーツの上から本件ローブ及び式帽を着用したDを,背景,構図,照明,光量,絞り等に工夫を加えて撮影していることが認められるから,・・・写真1は,Cの思想又は感情を創作的に表\現したものということができ,著作物性を有する。」と著作物性を認定し、また、「本件写真ビラは,専ら,・・・批判する内容が記載された宣伝用のビラであること,・・・本件写真ビラ全体の約15パーセントを占める大きさで掲載し,これに吹き出しを付け加えていること等の掲載態様に照らすならば,原告の写真の著作物を引用して利用することが,前記批判等の目的との関係で,社会通念に照らして正当な範囲内の利用であると解することはできず,また,このような態様で引用して利用することが公正な慣行に合致すると解することもできない。」と引用を否定しました。

 

◆H15. 2.26 東京地裁 平成13(ワ)12339 著作権 民事訴訟事件

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◆H15. 2.26 東京地裁 平成13(ワ)20223 著作権 民事訴訟事件

  争点の1つは、設計図の著作物性です。
  裁判所は、「設計者が自由に選択できる事項としては,「各部屋及び通路の具体的形状」及び「全体の配置」などに限られていたこと,?A原告設計図における表現方法は,極く一般の設計図において用いられる平面的な表\現方法であって,表現方法における格別の個性の発揮はないこと,?B本件事務所を,南側壁面に沿った3つのエリアと,西側壁面に沿った細長いエリアに分けるという発想は,正にアイディアそのものであって,この点が著作権法上の保護の対象となり得る表現とはいえないこと等の点を総合考慮すると,原告設計図において,創作性のある部分は,FTJ,日本研究所及びエトラリの各専用部分や各部屋及び通路等の具体的な形状及び具体的な配置の組合せにあるということができる。・・・原告設計図は,著作権法上の保護の対象となる著作物といえるが,その創作性のある部分は上記の点に限られるというべきである」と著作物性は認めましたが、著作物性のない部分の複製であるとして、著作権侵害を否定しました。

 

◆H15. 2.26 東京地裁 平成13(ワ)20223 著作権 民事訴訟事件

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