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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

公衆送信

平成28(ワ)7393  損害賠償請求事件  不正競争  民事訴訟 平成29年3月21日  大阪地方裁判所

 引用の目的が正当な範囲内で行なわれるものとはいえないとして、複製・公衆送信侵害と認定されました。
 別紙対比表1,2の「被告侵害部分」で特定された原告コンテンツの各記載\nは,その内容や記載の順序,文体等に照らし原告の個性が表出されているものと認\nめられるから,これらはいずれも原告の思想又は感情を創作的に表現したものとし\nて著作権法上の著作物であるということができ,したがって原告は,その作成者と してその著作権(複製権,公衆送信権)を有するものと認められる。 そして,別紙対比表1,2記載のとおり,被告は,原告コンテンツをそのまま自\nらの本件ウェブページに転載したものであり,不特定多数の者が本件ウェブサイト にアクセスして本件ウェブページを自由に閲覧することができるものであることか らすると,被告は,原告の複製権及び公衆送信権を侵害したものというべきである。
(2) 被告は,これら記載の掲載行為は著作権法32条1項の「引用」に該当する 旨主張する。 しかし,被告が引用した原告コンテンツの一部の傍らには,本件記載のようなコ メントが付されているのであって,既に説示したとおり,これらコメントを付す行 為は,原告製品ひいては原告を批評するという公益を図る目的でされたものとは認 められず,むしろ原告製品ひいては原告の信用を毀損する目的でされた違法な行為 というべきものであり,また売主の説明責任を果たすための正当な行為と認めるこ ともできないことからすれば,その引用が「公正な慣行に合致するもの」とも「引 用の目的上正当な範囲内で行なわれる」ものともということはできない。 したがって,被告による原告コンテンツの掲載行為を,著作権法32条1項の「引 用」として適法と認めることはできない。 なお,被告は,原告コンテンツはそれ自体経済的価値を有するものとして市場で 取引されるものではないなどと主張するが,その指摘はそうであるとしても,これ をもって「引用の目的上正当な範囲内で行なわれ」たということはできない。

◆判決本文

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平成28(ワ)34083  著作隣接権侵害差止等請求事件  著作権  民事訴訟 平成28年12月20日  東京地方裁判所

 カラオケ店舗において,カラオケ歌唱を行う様子を動画撮影し,これをYouTubeにアップロードした行為が,レコード製作者の送信可能化権を侵害するとして、差止が認められました。
 原告は,業務用通信カラオケ機器の製造販売等を業とする株式会社であり, 業務用通信カラオケ機器「DAM」シリーズの販売を行っている。 原告は,平成28年8月17日に発売された女性ボーカルグループ「Li ttle Glee Monster」のCDシングル「私らしく生きてみ たい/君のようになりたい」に含まれる楽曲「私らしく生きてみたい」のカ ラオケ用音源(以下「本件DAM音源」という。)を作成した。原告は本件 DAM音源につきその音を最初に固定したレコード製作者として送信可能\n化権(著作権法96条の2)を有する。 被告は,カラオケ店舗において,DAMの端末を利用して,上記楽曲のカ ラオケ歌唱を行い,その際に自身が歌唱する様子を動画撮影し,本件DAM 音源の音が記録された動画を同年9月7日にインターネット上の動画共有サイトである「YouTube」にアップロードした。

◆判決本文

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