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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

周知表示(不競法)

平成24(ワ)3604 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年12月20日 大阪地方裁判所 

 自動車のホイールについて、不競法2条1項1号の商品等表示ではないと判断されました。商品形態模倣(同3号)についても否定されました。
 証拠(甲4〜甲83の1・2)によれば,平成22年3月以降,自動車用品に関する複数の月刊誌において,原告商品を紹介する1〜4頁の記事や,原告商品に関する2又は4頁の自社広告及び他社による原告商品を含む商品広告が掲載されたものと認めることができる。しかしながら,月刊誌に数頁の紹介記事や広告が掲載されたからといって,そのことのみをもって,商品表示として需要者の間に広く認識されているなどとは到底いうことができない。上記各雑誌の発行部数,販売地域等に関する主張立証も全くない上,上記各雑誌には,原告商品以外にも被告商品を含む多数の同種商品が掲載されている。他に,原告商品の販売数量,売上高,同種商品の市場における原告商品の市場占有率など,この点に関する原告の主張を裏付ける主張立証は全くない。したがって,原告商品の形態が,商品表\示として需要者の間に広く認識されているとは認めることができないから,その余の点について判断するまでもなく,法2条1項1号に基づく原告の請求にも理由がない。

◆判決本文

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平成24(ネ)10069 不正競争行為差止請求控訴事件 不正競争 民事訴訟 平成24年12月26日 知的財産高等裁判所

 不競法2条1項1号の周知商品等表示であると争いましたが、該当しないとした1審判決が維持されました。
 以上によれば,控訴人商品の共通形態のうち,耳と鼻に掛ける眼鏡タイプの形態からなるルーペであり,そのレンズ部分は一対のレンズを並べた形態であり,眼鏡に重ね掛けができるという点については,従前,他社製品にもみられたものであるということができ,客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しているということはできない。なお,控訴人商品の共通形態のうち,レンズ部分が「眼鏡の重ね掛けができる程度に十分に大きい」一対のレンズを並べた形態である点については,エッシェンバッハ社や池田レンズ等の他社製品であるルーペに,全く同一のものは見当たらない。しかし,前記1(4)のとおり,一対のレンズを眼鏡の上から重ね掛けするという発想の商品もみられるところであり,また,「眼鏡タイプのルーペ」として種々の形態のものが販売され,流通しており,そのレンズの大きさも様々であることに照らすと,控訴人商品のレンズが「眼鏡の重ね掛けができる程度に十分に大きい」一対のレンズを並べた形態であることによって,需要者において控訴人商品につき格段の強い印象が生じるものとはいえない。よって,上記レンズの大きさの点を理由として,控訴人商品の共通形態が,客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有することになるということはできない。\n

◆判決本文

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平成23(ワ)5742 損害賠償等請求事件 特許権 民事訴訟 平成24年11月08日 大阪地方裁判所 

 不競法2条1項1号、2号(周知商品等表示、著名商品等表\示)による差止請求権は存在しないと認定されました。
 本件ドイツ特許及び本件米国特許の各公報(乙20,21の各1・2)及び前記1で認定の事実経過によれば,被告製品の形態は,簡便かつ効果的に巻き爪などを矯正するという技術的な機能実現のために得られたものであることが認められ,かかる機能\的な意味合いを有しない特徴的部分は見当たらない。そのため,被告製品の形態は,機能実現のために他に選択の余地がないものとまでいえるかはともかく,需要者との関係で,巻き爪矯正具としての機能\という意味を超えて識別力を持ち得る余地の小さい形態であるといえる。また,被告製品は,店頭販売などされておらず,需要者が直接その形態を見て商品選択することは想定できない上,証拠として提出されている上記多数の宣伝媒体を精査しても,巻き爪矯正施術の過程や被告製品を爪に装着した状態,あるいは,被告製品の一部を写真や図面で表示したものはあるものの,別紙被告製品図のような被告製品全体の形態が分かるように表\\示されているものは見当たらない(「Derma」と題する医学雑誌の2004年5月号[乙32]本文には,被告製品の形態全体が写った写真が掲載されているが,あくまで爪矯正処置法の医学的解説の一環としての掲載であり,商品等表示性の根拠とすることは困難である。)。一方で,前記認定のとおり,被告製品については,もっぱら「VHO」の文字標章が「商品等表\示」として使用されてきた。これらの事情からすれば,被告製品の形態が,被告製品の出所表示として使用されてきたとはいえないし,そのような機能\を果たしている実態があるともいえない。以上を総合して考えれば,被告製品の形態が,巻き爪矯正具の機能の観点から選択されたという意味を超え,「商品等表\示」たり得るだけの識別力を有するに至ったとはいえないものである。
(2)小括
したがって,原告製品の形態は被告製品の形態と同一ではあるものの,そもそも被告製品の形態は,「商品等表示」に該当しないため,不正競争防止法2条1項1号(周知表\示混同惹起行為)に基づく被告の主張は採用できない。

◆判決本文

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平成23(ワ)15990 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年09月13日 大阪地方裁判所

 「阪急住宅株式会社」について、阪急グループとの広義の混同が生ずるとして、商号抹消が認められました。
 被告は,昭和33年から被告商号と実質的に同一の営業表示を用いて営業活動を継続してきた旨主張する。しかしながら,被告が自らの営業活動及び宣伝の状況を立証するものとして提出した京都新聞社発行の新聞広告(乙1ないし8)は,昭和43年から昭和50年までのものに限られている。被告代表\者作成名義の買受証明書(乙9),商談申込書(乙10),取り纏め依頼書(乙11)及び経過報告書(乙12)と題する各書面についても,その作成経緯は不明であり,各書面に記載された日付も平成17年9月16日(乙9),平成18年3月3日(乙10),平成20年4月30日(乙11),同年5月12日(乙12)というものであり,昭和51年から平成16年までの営業の継続を裏付けるものではない。かえって,被告の商業登記簿謄本によれば,被告は,昭和53年9月29日京都地方裁判所において和議開始の決定を受けたことが認められ,証拠(甲13の1・2)によれば,被告は,平成2年11月26日,宅地建物取引業の免許を取得した後,平成13年10月29日,同免許を失効し,平成23年1月19日に再度免許を取得したことが認められる。そして,P1作成の陳述書(乙13)によっても,上記免許失効の前後から,P2が代表\取締役に就任するまでの間,被告が営業活動を行った形跡は窺えない。また,平成6年から8年にかけても,P1は,営業活動を行うことができない状態にあり,他の誰が営業活動に携わっていたかも不明であり,営業に関する具体的な供述もない。以上によると,少なくとも上記の間,被告は,休眠状態にあり,被告商号を営業表示として使用することはなかったことが窺える。そうすると,被告は,平成6年5月1日以前から,被告商号を営業表\示として使用することを継続していたとは認めることができず,原告営業表示が著名になる前から被告商号を使用する者であるともいえない。3 法2条1項1号に関するその余の争点について前記2において,仮に,被告が平成6年5月1日以前から,被告商号を営業表示として使用することを継続していたとしても,次のとおり,被告の行為は,法2条1項1号に該当するということができる。\n

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平成23(ワ)37057 発信者情報開示請求事件 商標権 民事訴訟 平成24年06月28日 東京地方裁判所

 あるサイトにおける表示が、商標権侵害、不正競争行為(2条1項1号)に該当するとして、これを根拠として、プロ責法4条1項に基づき、レンタルサーバ運営者に発信者情報の開示が認められました。
 上記(1)の認定事実によれば,平成23年8月までには,原告商品等表示は原告の営業を表\示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認められる。(3) 本件各標章の要部は,「PLUS」あるいは「Plus」の部分であって,本件各標章は周知の原告商品等表示に類似するから(このことは,被告も認めるところである。),本件ウェブページ上でその営業を表\示するものとして本件各標章を使用する行為は,不競法2条1項1号に該当し,原告の営業と混同を生じさせるものということができる。そして,本件において,特段の事情があることは窺えないから,本件ウェブページ上で本件各標章を使用する行為によって原告の営業上の利益が侵害されたものと認められる。(4) 被告のレンタルサーバは,インターネット上で不特定の者に対する送信をするのであるから,本件ウェブページに掲載された情報の流通によって原告の権利が侵害されたことは明らかである。2 上記1に判示したところによれば,原告が損害賠償請求権を行使するためには,被告のレンタルサーバに本件ウェブページの情報を記録した者の発信者情報が必要であるから,原告にはその開示を受けるべき正当な理由があると認められる。

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平成23(ワ)10113 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年04月19日 大阪地方裁判所

 不競法2条1項1号の商品等表示に該当しないと判断されました。
 前記イ及びウで検討したところによれば,原告商品を全体としてみたときに,特徴2及び3について,商品表示として他の商品と識別しうる独自の特徴とはいえない。 また,前記アのとおり,特徴1のうち,i) 上部に開口部となる凸状の緩やかなカーブがある蓋部と,ii)前面凹状の緩やかなカーブがある錠付き扉という各特徴については,個別にみると,それぞれ同種の商品にみられるありふれた特徴である。さらに,乙8ないし11並びに丙1及び2によれば,上記i)及びii)の両方を備えた郵便受けも,原告商品の他に複数存在することが認められる。 したがって,原告商品の形態は,全体としてみても,他の同種の商品と識別しうる独自の特徴を備えているということができない。(2)以上のとおり,原告商品の形態が他の同種の商品と識別しうる独自の特徴を備えているとは認めることができないし,後記2のとおり,原告商品の形態について特定の者の商品であることを示す表示として需要者の間に広く認識されるに至っているとも認めることができない。\n

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平成19(ワ)11489等 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟 平成23年12月15日 大阪地方裁判所 

 経緯からして「他人の商品等表示」ではないとしたものの、不法行為による損害賠償が認められました。また、一部の表\示(被告表示1−5及び1−7)を付して販売する行為は不競法2条1項13号の不正競争に該当すると認定されました。
 以上のような原告,被告ら及び協和興材の関係並びに需要者の認識を踏まえると,本件商品に付された原告表示1ないし4は,本件商品の製造販売に関与する原告,被告ら及び協和興材の三者の出所表\示として,需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
エ これに対し,原告は,被告らは,原告が協和興材を通じて本件商品を販売するための中間業者として中間マージンを得ていただけの存在にすぎないから,原告表示1ないし4の各表\示に被告ら独自の業務上の信用が化体する余地はなく,これらの表示が被告らの出所表\示となることはあり得ないかのように主張する。しかし,本件外箱の表示,広告宣伝時の表\示など,需要者が直截,目にする部分において,被告らが本件商品の製造販売において独立した商品等主体として関わっている旨が表示されているのであるから,需要者としては,当然,被告らも本件商品の出所の主体であると理解するであろうし,現実の取引においても,本件商品の総発売元である協和興材と直接の取引関係にあるのは原告ではなく被告らであって,被告らが,本件商品の販売において独立した主体的立場を有していることは明らかである。また,被告P1は,その屋号を「グリッタージャパン」とし,「GOLD Glitter」の文字商標の登録までしていたことからしても,本件商品の販売において,積極的な役割を果たしていたといえる(なお,原告は,これらについて被告P1が原告に無断で行ったと主張するが,これらの事実から,少なくとも,被告P1が,本件商品の販売において,自らの屋号を「グリッタージャパン」とし,対外的にそのような屋号の事業体として認識されるだけの利害関係を有していたことは否定できないから,無断であったか否かは,この場面では問題とならないというべきである。)。よって,原告表示1ないし4が被告らの出所表\示となることはあり得ないとする原告の主張は失当である。
オ 以上によれば,原告表示1ないし4は,不正競争防止法2条1項1号の周知商品表\示であると認められるものの,その出所識別機能は原告,被告P1(被告会社設立以降は被告会社)及び協和興材の三者について生じており,被告会社にとって「他人の」周知商品表\示であるとは認められないから,被告会社が,その製造販売する商品に原告表示1ないし4と同一ないし類似する被告表\示1−1ないし1−4,1−6を付したとしても,これをもって,不正競争防止法2条1項1号の不正競争を構成するものと認めることはできないというべきである。\n

◆判決本文

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