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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

著名表示(不競法)

平成23(ワ)5742 損害賠償等請求事件 特許権 民事訴訟 平成24年11月08日 大阪地方裁判所 

 不競法2条1項1号、2号(周知商品等表示、著名商品等表\示)による差止請求権は存在しないと認定されました。
 本件ドイツ特許及び本件米国特許の各公報(乙20,21の各1・2)及び前記1で認定の事実経過によれば,被告製品の形態は,簡便かつ効果的に巻き爪などを矯正するという技術的な機能実現のために得られたものであることが認められ,かかる機能\的な意味合いを有しない特徴的部分は見当たらない。そのため,被告製品の形態は,機能実現のために他に選択の余地がないものとまでいえるかはともかく,需要者との関係で,巻き爪矯正具としての機能\という意味を超えて識別力を持ち得る余地の小さい形態であるといえる。また,被告製品は,店頭販売などされておらず,需要者が直接その形態を見て商品選択することは想定できない上,証拠として提出されている上記多数の宣伝媒体を精査しても,巻き爪矯正施術の過程や被告製品を爪に装着した状態,あるいは,被告製品の一部を写真や図面で表示したものはあるものの,別紙被告製品図のような被告製品全体の形態が分かるように表\\示されているものは見当たらない(「Derma」と題する医学雑誌の2004年5月号[乙32]本文には,被告製品の形態全体が写った写真が掲載されているが,あくまで爪矯正処置法の医学的解説の一環としての掲載であり,商品等表示性の根拠とすることは困難である。)。一方で,前記認定のとおり,被告製品については,もっぱら「VHO」の文字標章が「商品等表\示」として使用されてきた。これらの事情からすれば,被告製品の形態が,被告製品の出所表示として使用されてきたとはいえないし,そのような機能\を果たしている実態があるともいえない。以上を総合して考えれば,被告製品の形態が,巻き爪矯正具の機能の観点から選択されたという意味を超え,「商品等表\示」たり得るだけの識別力を有するに至ったとはいえないものである。
(2)小括
したがって,原告製品の形態は被告製品の形態と同一ではあるものの,そもそも被告製品の形態は,「商品等表示」に該当しないため,不正競争防止法2条1項1号(周知表\示混同惹起行為)に基づく被告の主張は採用できない。

◆判決本文

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平成23(ワ)12566 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟 平成24年09月20日 大阪地方裁判所

  正露丸の包装について、著名商品等表示に該当するのかについて、裁判所は類似していないと判断しました。
   正露丸の包装について、著名商品等表示に該当するのかについて、裁判所は類似していないと判断しました。\n 被告表示2のうち「下痢・食あたり・水あたり」,「正露丸」,「SEIROGAN」,「糖衣」,「飲みやすい」,「白い錠剤」,「第2類医薬品」及び「90錠」の各記載は,いずれも単に被告商品の効能,用途,数量について普通に用いられる方法で表\示したにすぎないことが明らかである。また,前記1(2)のとおり,本件医薬品の包装について,直方体で包装箱全体の地色が橙色であることは,同種商品に見られる,ありふれた一般的な構成である。医薬品において,医薬品名に続けてアルファベットで一文字を表\記することがありふれた一般的表記であることは当事者間に争いがないし,金色で大きく記載されたアルファベットの「S」の文字自体によって被告の営業又は被告商品を想起させるとする主張立証もない。被告も主張するとおり,「S」は本件医薬品の普通名称である「SEIROGAN」の頭文字であるほか,スーパー,スペシャルなど,「優れた」をイメージするアルファベットであることからしても,自他商品識別機能を有するとはいいがたい。これらのことからすると,被告表\示2のうち,原告が,原告表示3と類似すると主張する,正面及び右側面には,何ら自他商品識別機能\を有する部分はないというべきであり,被告表示2のうち自他商品識別機能\を有するのは,左側面及び背面に記載された被告商品の販売名,被告の社名であると認められる。
(ウ) 対比
 前記1(2)のとおり,原告表示3のうち需要者に対する自他商品識別機能\を有するのは,原告表示2(ただし,正面は2段に分けて表\記されている。)及びラッパのマークの部分であるところ,前記イのとおり,被告表示2にはこれに類する表\示がない。したがって,被告表示2は,原告表\示3の類似の商品表示であるとは認められないというべきである。\n

◆判決本文

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