2007.02. 1
著作権の存続期間が満了した著作物について(c)マークをライセンシーに使用させることは、不正競争行為に該当しないと判断されました。
「商品の実質や属性であればどのようなものであっても,13号の不正競争行為である誤認表示の対象となる「商品の内容」ということはできないのであって,前示のとおり,同号の趣旨が,商品等若しくはその広告等に表\示する原産地,品質,内容等を偽り,需要者の誤認を招くような表示をすることは,適正な表\示を行う他の事業者より競争上不当に優位に立ち,需要者の需要を不当に喚起する一方,適正な表示を行う誠実な事業者は競争上不当に劣位に立たされて顧客を奪われるなど営業上の利益を害されることになる点にあることからすれば,「商品の内容」に関する誤認表\示とは,商品に誤認を招くような表示をすることにより,その表\示を信じた需要者の需要を不当に喚起するような表示であることを要すると解すべきである。これを本件についてみると,・・・・被告表\示3ないし5は,それが本件絵柄の著作物について日本においては著作権保護期間が満了しているのにいまだに著作権が存続していると誤認させるものであるとしても,13号の不正競争行為である「商品の内容」に関する誤認表示には該当しないというべきである。ちなみに,商品に実際には存在しない特許権,実用新案権,意匠権を表\示する行為は13号の不正競争行為に該当する場合が多いと解されるが,そのように解されるのは,そのような表示が需要者をして当該商品が特許や,実用新案登録,意匠登録を認められたような優れた技術,デザインを有するという商品の品質,内容を誤認させるものである場合が多いからであると解される。これに対し,消費者等の需要者は,その絵柄が著作権の保護を受ける著作物であるか否かによってこれを購入するか否かを決定しているものではなく,そのような事項は商品の品質,内容に関するものとはいえないから,著作権の保護期間経過後の著作物に著作権表\示を付することと上記のような特許権等の虚偽表示とを同列に論じることはできない。」
◆平成17(ワ)12138 著作権に基づく差止請求権不存在確認請求事件 著作権民事訴訟 平成19年01月30日 大阪地方裁判所