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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

数値限定

◆H16.12.22 東京高裁 平成16(行ケ)81 特許権 行政訴訟事件

  数値限定の発明についての進歩性無しとの審決が、高裁でも維持されました。
 裁判所は、「補正発明において,比(R/D)の下限値を0.0005とした理由は,摩擦トルク,負荷容量,剛性,製作精度を考慮した結果であり,また,軸とスリーブの熱膨張,ディスクとブラケット間の抵抗を考慮した結果であると認められる。そうすると,補正発明において,下限値の限定は,要は,軸径を定めた場合に,クリアランスをどの程度のものとすれば実用化に支障を来さないかの観点でなされているのであり,このような限定は,実験等により,当業者が格別の創意を要することなく決定できるものというべきである。  確かに,小型化するに当たって,単に寸法を小さくすればよいというものではないことは,原告主張のとおりである。しかし,前記のとおり,摩擦トルクの低減に軸径Dが関係すること,剛性の向上に半径隙間Rの値が関係し,しかも,R/D比に連関することは,刊行物2,刊行物3により既に知られていたのであり,数値を限定するに当たって明確な指針が存在していたのであるから,実験的に好適な範囲を求めることは容易になし得たというべきである。」と判断しました。

◆H16.12.22 東京高裁 平成16(行ケ)81 特許権 行政訴訟事件

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◆H16.12. 8 東京高裁 平成15(行ケ)576 特許権 行政訴訟事件

 歯車の加工における数値限定について、進歩性無しと判断されました。
 原告は、「ドライカットはウエットカットよりも耐摩耗性において著しく劣るため,ドライカットの実用化は不可能である」という技術常識?@及び「切削速度を高速化するほど,工具の耐摩耗性は低くなる」という技術常識?Aが存在し,高速化が自明の課題であるというだけで,これを引用例1のドライカットにおいて実現することまでもが当業者が容易に想到し得ることであるとした審決の判断は,上記技術常識を無視したものであって,誤りである」と主張しました。しかし、裁判所は、「上記記載において,TiAlN被覆をした高速度工具鋼製ホブにおける耐摩耗性の向上が示唆されていることからすれば,当業者は,高速度工具鋼製ホブの刃部にTiAlN被覆を施すことによって,ドライカットの切削速度を高速化することができる技術的可能性を理解するというべきである。さらに,原告の指摘する上記(ウ)の点については,その主張に係る公知文献の中には高速度工具鋼のドライカットにおいて切削速度が120m/minを超えるものが見当たらないとしても,そのことから直ちに,「高速度工具鋼製ホブを使用する場合,ドライカットはウエットカットよりも耐摩耗性において著しく劣るため,ドライカットの実用化は不可能である」という原告主張の技術常識?@の存在が裏付けられるとはいえない。」と判断しました。

◆H16.12. 8 東京高裁 平成15(行ケ)576 特許権 行政訴訟事件

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