数値限定発明の進歩性について、進歩性無しとした審決を取り消しました。
裁判所は、「本件発明は,ストレッチフィルムがストレッチ包装に適した特性を発揮するための要件として要件Bを規定し,これを塩素を含有しない樹脂からなる積層フィルムにおいて実際に達成したものであるから,少なくとも,積層フィルムからなるストレッチフィルムにおいて要件Bのパラメータに着目すべき動機付けが存在し,かつ,要件Bを達成するための具体的な手段が当業者に知られていなければ,要件Bの構成に至ることが容易であるとはいえないのである。仮に,乙5,6及び乙8が,それぞれ,乙4の実施例1及び乙7の実施例1の正確な追試であったとしても,乙4〜8からは,せいぜい乙4や乙7の実施例に記載されたストレッチフィルムがたまたま要件Bを満たすものであるといえるだけであって,要件Bのパラメータとストレッチ包装における特性との関連性及び要件Bを達成するための具体的な手段が,本件出願前に知られていたことにはならない。」
◆H17. 9.26 知財高裁 平成17(行ケ)10222 特許権 行政訴訟事件