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知財みちしるべ:最高裁の知的財産裁判例集をチェックし、判例を集めてみました

争点別に注目判決を整理したもの

パラメータ発明

◆平成19(行ケ)10298 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月26日 知的財産高等裁判所

   パラメータ発明(数値限定発明)について、進歩性無しとした審決を取り消しました。
  「審決は,「ボビンに巻かれた断面が長円のコイルの短軸側の巻外径 Wと,コイルの内側の断面積と同じ断面積の仮想円柱鉄心の直径dとの比率 (d/W)として検討する場合にも,かかる比率を適正な範囲に設定すべき ことは明らかであるといえる。そして,かかる比率は,当業者が実験的に最 適な特性が得られるものとして,適宜選定し得るものであると共に,本願発 明の「d=(0.4〜0.8)W」という数値限定の範囲内と範囲外とで, 有利な効果の差異が顕著であるともいえないから,かかる数値限定に臨界的 意義を見出すこともできない。」(4頁34行〜5頁6行)とし,仮想円柱鉄 心の直径dとコイルの短軸側の巻外径Wとの比を基にして本願発明と引用発 明を比較している。しかし,本願発明は,既に検討したとおり,d=(0. 4〜0.8)Wの関係を持たせた上,固定鉄心及び可動鉄心の断面における 長軸または長辺の長さaと短軸または短辺の長さbとの比率を,1.3≦a /b≦3.0とすることで巻線の幅(W−b)が増加することになり固定鉄 心及び可動鉄心の断面における長軸または長辺の長さaと短軸または短辺の 長さbとの比率a/b=1のものよりも吸引力が大きくなることに着目した ものである。 したがって,本願発明は,長円にした際に,単に吸引力を発揮することを 目的としたものではなく,コイルの巻外径Wが一定であることを前提として, かつ同じ鉄心断面積であっても円よりも吸引力が大きくなるようにしたもの であり,単に鉄心の断面形状を円から長円にしたものではなく,また?@d= (0.4〜0.8)Wとの点,?A1.3≦a/b≦3.0との点のいずれの 数値限定についても,既に検討したとおりそれなりの技術的意義を有するも のであるから,単に臨界的意義を見出すことができないとのみすることは妥 当ではない。」

◆平成19(行ケ)10298 審決取消請求事件 特許権行政訴訟 平成20年03月26日 知的財産高等裁判所

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