2007.12. 1
民訴法5条9号の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の国際裁判管轄が肯定されました。ただ、技術的範囲に属さないので請求は棄却されました。
「本件においては,上記(1)で判示したように,住友電工及びNECは,被告製品又は被告製品を組み込んだADSLモデムを輸入し,同ADSLモデムをNTTに販売しているのであるから,仮に,本件特許が無効とならず,被告製品の輸入,販売等が本件特許権の侵害行為に該当するのであれば,住友電工及びNECの上記行為は,本件特許権を侵害する不法行為を構成し,また,本件特許権を有している原告に,我が国において,損害は発生しているものと認められる。次に,客観的関連共同性の存否又は幇助・教唆行為の客観的事実の存否については,・・・・いることからすると,同被告は,自社が住友電工及びNECアメリカに対して販売した被告製品が,そのままで又はADSLモデムに組み込まれて,住友電工及びNECによって輸入され,さらに,ADSLモデムに組み込まれた形でNTTに譲渡されることを認識しており,そのような認識の下に,住友電工及びNECに対して,積極的に被告製品の販売のための活動を行ったものと推測されるから,被告CCIには,住友電工及びNECの上記不法行為について,少なくとも客観的関連共同性が認められ,また,被告CCIの住友電工及びNECに対する被告製品の販売行為及びその前提としての営業行為は,住友電工及びNECの上記不法行為の幇助ないし教唆行為と評価できるというべきである。したがって,原告の主位的主張に係る訴えについては,我が国の裁判所に管轄を肯定するに足る上記の客観的事実及び日本国内での損害の発生を認めることができる」
◆平成16(ワ)10667 損害賠償等請求事件 特許権民事訴訟 平成19年11月28日 東京地方裁判所