H15. 9.29 東京高裁 平成14(行ケ)408 特許権 行政訴訟事件

平成14年(行ケ)第408号 補正却下決定取消請求事件
口頭弁論終結の日 平成15年9月8日
            判    決
        原       告   エイディシーテクノロジー株式会社
        同訴訟代理人弁理士   足 立   勉
        同           松 尾 卓 哉
        同           石 原 啓 策
        被       告   特許庁長官 今井康夫
        同指定代理人      片 岡 栄 一
               同           麻 野 耕 一
               同           小 林 信 雄

               同           高 橋 泰 史
        同           涌 井 幸 一
        同           大 橋 良 三
            主    文
           1 特許庁が不服2001−23652号事件について平成14年7月2日にした「平成13年9月21日付けの手続補正を却下する。」との補正の却下の決定を取り消す。
           2 訴訟費用は被告の負担とする。
            事実及び理由
第1 請求
    主文同旨
第2 事案の概要
 1 争いのない事実
   (1) 特許庁における手続の経緯
     原告は、昭和63年6月6日出願の特願昭63−138679号(以下「原出願」という。)の分割出願である特願平10−58567号を、更に分割出願した特願平11−108025号について、その特許を受ける地位を承継してこれを更に分割出願(以下「本件分割出願」という。)したが、拒絶査定を受けたので、同査定を不服として審判請求をしたところ、特許庁が、原告の行った平成13年9月21日付け手続補正(以下「本件補正」という)について、「平成13年9月21日付けの手続補正を却下する。」との補正の却下の決定(以下「本件決定」という。)をしたものである。

     出願日      平成12年6月2日
     出願番号     特願2000−166127号
     発明の名称    番組表示装置および番組表示方法
     本件補正書提出日 平成13年9月21日
     拒絶査定日    平成13年11月21日(起案日)
     審判請求日    平成13年12月28日(不服2001−23652)
     本件決定日    平成14年7月2日
     決定謄本送達日  平成14年7月16日
   (2)ア 本件分割出願当初の請求項1記載の発明(以下「本願発明1」という。)の要旨
    【請求項1】テレビの放映内容を録画するビデオ録画装置に装着されて、その録画を制御する録画予約制御装置において、少なくともテレビ放送の内容と放映時間とを含む情報を予め記憶する記憶手段と、該記憶された情報をテレビ受像機に出力し、該テレビ受像機に表形式で表示させる表示制御手段と、該表示された情報から所望の放送内容を選択する選択手段と、該選択された情報に従って、その放映時間をビデオ録画装置の録画予約手段に設定する録画設定手段とを備えたことを特徴とする録画予約制御装置。

     イ 本件補正後の請求項1及び3(以下、併せて「補正後各請求」という。)記載の各発明(以下、併せて「補正後各発明」という。)の要旨
     【請求項1】少なくともテレビ放送の各番組内容とその開始時刻とその終了時刻とその放映チャンネルとを含む情報を、外部から当該番組表示装置に取り込む入力手段と、該入力手段により取り込まれた上記情報から、当該番組表示装置の電源を投入した日の各チャンネルのテレビの番組内容を取り出して、チャンネルの違い毎に縦もしくは横の内の1方向に並べて画面に表示するチャンネル表示手段と、当該番組表示装置の電源を投入した日の、上記入力手段により取り込まれた上記情報中の同一チャンネルの番組内容を、その放送順に、上記1方向と垂直な方向に並べ、且つ各番組内容の放送時間に応じた長さで上記画面に表示する放送順序表示手段と、翌日の番組内容の一部を出力させるための翌日表示指定手段と、該翌日表示指定手段が操作されると、上記記憶手段に記憶された情報の中から、翌日の番組内容の一部を出力する翌日表示制御手段と、上記チャンネル表示手段および上記放送順序表示手段により表示される領域を更新する領域更新手段とを備えたことを特徴とする番組表示装置。

     【請求項3】少なくともテレビ放送の各番組内容とその開始時刻とその終了時刻とその放映チャンネルとを含む情報を外部から取り込み、該取り込まれた上記情報から、電源を投入した日の各チャンネルのテレビの番組内容を取り出して、チャンネルの違い毎に縦もしくは横の内の1方向に並べて画面に表示するとともに、電源を投入した日の、取り込まれた上記情報中の同一チャンネルの番組内容を、その放送順に、上記1方向と垂直な方向に上記画面に並べ、且つ各番組内容の放送時間に応じた長さで表示し、翌日の番組内容の一部を出力させるための指定を受けると、上記情報の中から、翌日の番組内容の一部を出力し、上記表示される番組表の領域を更新することを特徴とする番組表示方法。
   (3) 本件決定は、別添補正の却下の決定書写し記載のとおり、本件補正により補正された請求項1の「該入力手段により取り込まれた上記情報から、当該番組表示装置の電源を投入した日の各チャンネルのテレビの番組内容を取り出して」及び「当該番組表示装置の電源を投入した日の、上記入力手段により取り込まれた上記情報中の同一チャンネルの番組内容を、その放送順に、」並びに同請求項3の「取り込まれた上記情報から、電源を投入した日の各チャンネルのテレビの番組内容を取り出して」及び「電源を投入した日の、取り込まれた上記情報中の同一チャンネルの番組内容を、その放送順に、」という補正事項(以下「本件補正事項」という)が、本件分割出願の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)の要旨を変更するものと認められるので、本件補正は、特許法53条1項(平成5年法26号による改正前のもの、以下同じ)の規定により却下すべきものとした。      

     なお、本件決定の理由中、「1:手続の経緯」に記載された本件分割出願の経緯及び出願番号並びに「2:平成13年9月21日付手続補正(以下、単に手続補正という)の要旨変更の検討」の「(b)分割出願の記載および技術的事項」に記載された本件分割出願の出願番号に誤記があり、被告はこれらを認めている。また、上記の特許法53条1項の規定が審査に関するものであり、審判に関しては、同条項が同法159条1項(平成5年法26号による改正前のもの)により準用されるものであることが本件決定に明記されていないことも、当事者間に争いがない。
 2 原告主張の取消事由の要点
    本件決定は、当初明細書等の記載事項の認定を誤った結果、本件補正が要旨変更に当たると誤って判断したものである(取消事由)から、違法として取り消されるべきである。

   (1) 本件決定が、補正後各発明について、「電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出して表示する構成」(甲1第2頁9ないし10行)を有すると認定したことは、必ずしも正確とはいえないが争わない。
      しかし、本件決定が、「分割出願には、電源投入時に、テレビ受像機5にその日の番組表の一部が取り出されて、表形式で表示され、その表示画面から番組予約を行うことの記載はあるが、電源投入後の任意の時間に番組を取り出して表示し、番組予約を行うことができるという記載はない」(同3頁13ないし16行)と判断したことは誤りである。
   (2) なぜなら、本件決定が認定した補正後各発明の上記構成は、当初明細書等に記載された事項の範囲内のものといえるからである。
     すなわち、当初明細書等(甲3)の段落【0023】には、「まずVTR3に録画予約カード1を装着し電源を投入すると、テレビ受像機5にその日の番組表の一部が、第4図に示すように、表形式で表示される。」と記載されているが、その前提として、少なくともテレビ受像機の電源を投入する必要があるのは当然のことである。そして、VTRに電源を投入後、テレビ受像機の電源を投入するに当たり、ゆっくり投入することも、また、迅速に投入することも、利用者の自由であるから、番組表が表示されるのは、利用者が決めた任意の時間になる。つまり、電源投入後の任意の時間に番組を取り出して表示し、番組予約を行うことができるのである。

 3 被告の反論の要点
   本件決定の認定・判断は正当であり、原告主張の取消事由は理由がない。
   (1) 当初明細書等には、録画予約のための番組表示が、電源を投入したとき、すなわち、電源投入時又は電源投入直後になされることしか示されていなかったものが、補正後各請求では、「電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出して表示し、番組予約を行う」ことに変更されたので、本件補正は要旨を変更すると判断したものである。
     この点に関し、当初明細書等の段落【0014】には、電源投入後の処理について、録画予約カード1がVTR3に装着されて電源が投入されると、第5図に示すカード側処理ルーチンを開始し、カーソル位置の初期化等の処理(ステップ100)に続いてROM32から番組表を読み出し(ステップ110)、カーソル位置に応じた領域の番組データ及びカーソル位置のデータをVTR3に出力する処理を行う(ステップ120)ことが示されている。そして、上記段落【0014】の記載及び第5、第6図に示される処理ルーチンには、電源が投入されてその日の番組表が表示されるまでに、例えばその日の番組表を表示するためのキーを押す等の処理は何ら記載されていないのであるから、電源が投入されると自動的に初期画面表示としてその日の番組表が表示されるものである。また、再生や録画を行った後に録画予約を希望するときに、例えばその日の番組表を表示するためのキーを押す等によりその日の番組表を表示することは何ら記載されていない。

     したがって、電源が投入された直後にその日の番組表を画面に表示する構成は開示されているとしても、補正後各発明のような、電源投入時を含む電源投入後から電源遮断までであればいつでも(任意の時間に)その日の番組表を画面に表示することは示されていない。
     また、当初明細書等の段落【0023】にも、「まず、VTR3に録画予約カード1を装着し電源を投入すると、テレビ受像機5にその日の番組表の一部が、第4図に示すように、表形式で表示される。」と記載されており、電源が投入された直後にその日の番組表を画面に表示する構成は開示されているとしても、それ以外の期間でもその日の番組表を画面に表示する構成については何ら示されていない。
     さらに、当初明細書等には、録画予約のためのその日の番組表示は電源を投入した直後になされる上記実施例しか示されておらず、これ以外の場合を含む、電源投入時を含む電源投入後から電源遮断までであればいつでも(任意の時間に)その日の番組表を画面に表示する実施例については何ら示されていない。

     したがって、本件補正事項は、当初明細書等の要旨を変更するものである。
  (2) 本件分割出願の原出願は、平成10年10月16日に特許第2838892号として設定登録されたところ、特許権者(原告に同じ。)は、平成12年4月26日に上記特許の異議申立事件(以下「別件異議事件」という。)における審理過程で訂正請求を行ったが、その訂正請求書(乙1)において、訂正事項a(特許請求の範囲の請求項1の訂正)が、訂正前において、電源を投入した日の番組表を表示させるための操作が漠然としていたのを「電源を投入すること」に限定するために、特許請求の範囲を減縮するものであるとの主張をしている。このことからも、番組表示及び予約動作は、電源を投入したとき、すなわち、電源投入時又は電源投入直後に行うことが明らかである。

    また、本件補正の直前に提出された平成12年6月14日付け手続補正書(乙2)により補正(以下「直前補正」という。)された明細書においては、各請求項に係る発明が、「番組表示装置の電源が投入されると、上記記憶手段に記憶された情報の中から、その日の番組の一部を出力する」こと、すなわち、電源投入時又は電源が投入された直後にその日の番組を表示すると規定されていることが明らかである。
    そうすると、本件補正は、補正前には、電源の投入と番組の表示時期との関係を「電源が投入されると番組を表示する」と規定していたものを、補正後には、電源の投入と番組の表示との時間的関係については何ら規定することなく、補正後各請求に示されるように、単に電源を投入した日のテレビの番組内容を取り出して表示するとしたものであることは明らかである。

第3 当裁判所の判断
 1 本件決定の判断誤り(取消事由)について
   (1) 本件決定は、本件補正事項が、電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出して表示する構成であると認定する(このことは当事者間に争いがない。)一方、当初明細書等には、電源投入時にその日の番組表の表示及び録画予約を行うことの記載はあるものの、電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出すという記載はないし示唆もされていないと認定し、本件補正事項が当初明細書等の要旨を変更するものであると判断したので、以下検討する。
   (2) 当初明細書等(甲3)における請求項1には、前示のとおり、「テレビの放映内容を録画するビデオ録画装置に装着されて、その録画を制御する録画予約制御装置において、少なくともテレビ放送の内容と放映時間とを含む情報を予め記憶する記憶手段と、該記憶された情報をテレビ受像機に出力し、該テレビ受像機に表形式で表示させる表示制御手段と、該表示された情報から所望の放送内容を選択する選択手段と、該選択された情報に従って、その放映時間をビデオ録画装置の録画予約手段に設定する録画設定手段とを備えたことを特徴とする録画予約制御装置。」と記載されており、電源の投入と番組表示の時期との関連については、特に開示されていないことが明らかである。また、当初明細書等の、「発明が解決しようとする課題」、「課題を解決するための手段」、「発明の実施の形態」及び「発明の効果」の各項目においても、電源の投入と番組表示の時期との関連についての記載はなく、発明の効果において、「本発明の録画予約制御装置によれば、テレビ受像機に表形式で表示される番組の内容を見ながら番組を選択するだけで録画予約を行えるので、番組の録画予約を極めて簡略化することができるという優れた効果を奏する。」と記載されるように、番組が録画予約のためテレビ受像機に表形式で表示されることが、本願発明1の重要な特徴と認められるが、電源の投入と番組表示の時期との関係は、当初明細書等において問題とされていないものと解するのが相当である。
     他方、当初明細書等の段落【0008】から【0027】には、本願発明1の実施例が記載されており、このうち、段落【0014】から【0022】には、録画予約時に録画予約カード1及びVTR3の各CPU31、51が実行する処理について記載され、また、段落【0023】から【0026】には、使用者が行う録画予約の設定について記載されている。これらの記載によれば、本願発明1の実施例では、電源投入を最初の処理ステップとする、あるいは、使用者の行う一連の処理・操作において、電源を投入した日の番組表を表示し、録画予約を行うことが開示され、電源が投入されると自動的に初期画面表示としてその日の番組表が表示されるものと認められるが、電源投入後の任意の時間経過後に番組表を表示させたり、予約を行うこと、例えば、再生や録画を行った後の処理や操作については記載されていない。

     しかし、上記記載はあくまで本願発明1の実施例に関するものであり、当初明細書等の段落【0028】に「以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、・・・本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。」と記載されるように、前記の本願発明1の発明の要旨から逸脱したり、当初明細書等の他の記載に反したりするものでない実施例としての事項は、当初明細書等の要旨に含まれるものと解するのが相当といえるから、電源の投入とテレビ受像機に表形式で番組を表示する時期との時間的関係については、当初明細書等において限定がなされていないものと認められる。
      また、被告は、本件決定における補正後各発明の認定に関して、補正後各請求の特許請求の範囲には、電源を投入した日のテレビの番組内容を取り出して表示することは示されているが、電源投入後のどの時点でテレビの番組内容を取り出して表示するかについては何ら規定されていないことを理由に、電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出して表示する構成であると主張するものであるところ、そうであるとすれば、当初明細書等の特許請求の範囲においても、電源の投入とテレビ受像機に表形式で番組を表示する時期との時間的関係については、全く規定するところがないことが明らかであるから、同様の理由により、電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出して表示する構成が開示されているものと認定すべきものといえる。

      なお、本件決定は、当初明細書等の段落【0014】や【0023】などの実施例において、電源投入時にテレビ受像機に番組表の一部が表形式で表示されることの記載があるが、電源投入後の任意の時間に番組を取り出して表示する旨の記載がないことを理由に、当初明細書等において、電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出して表示する構成が開示されていないと認定するところ、この実施例の記載は、本件補正後においても、電源の投入とテレビ受像機に表形式で番組を表示する時期との時間的関係については、実質的に変更されていないものと認められる(甲2、3)。それにもかかわらず、本件補正後においては、上記実施例の記載等を考慮することなく、特許請求の範囲の記載のみを問題として、電源投入時を含む電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出して表示する構成が開示されていると認定したことは、矛盾する判断手法といわなければならない。
      したがって、本件決定が、当初明細書等に電源投入後の任意の時間にその日の番組表を取り出すという記載等がないことを理由に、本件補正事項が当初明細書等の要旨を変更するものであると判断したことは、誤りであるといわなければならない。
   (3) 被告は、別件異議事件における訂正請求において、原告と同一視すべきである特許権者が、訂正前において電源を投入した日の番組表を表示させるための操作が漠然としていたのを「電源を投入すること」に限定するために特許請求の範囲を減縮すると主張したことから、番組表示及び予約動作は、電源投入時又は電源投入直後に行うことが明らかであると主張する。
     しかし、出願に係る明細書及び図面の記載内容は、本来、客観的に解釈されるべきものであるところ、これを本件についてみるに、当初明細書等には、電源の投入とテレビ受像機に番組を表示する時期との時間的関係が限定されていないと解すべきことは、前示のとおりであり、このことは、原告が、原出願に係る別件異議事件の審理過程において行った主張に左右される筋合いのものではなく、また、原告が本訴において前記第2の2の主張を行うことが許されないとする事情も見受けられないから、結局、被告の上記主張は採用することができない。なお、当該訂正請求自体は、原告とは異なる訴外「レーム プロパティズ ビーブイ」(オランダ法人)が行ったものであり、同人から特許を受ける地位を承継した原告は、これを事前に承諾したにすぎない(乙1)。

     さらに、被告は、原告による平成12年6月14日付けの直前補正の結果、電源の投入と番組の表示時期との関係が「電源が投入されると番組を表示する」と規定されていたにもかかわらず、本件補正後には、電源の投入と番組の表示との時間的関係については何ら規定することなく、補正後各請求に示されるように、単に電源を投入した日のテレビの番組内容を取り出して表示するとしたものであると主張する。
     しかし、明細書及び図面についての補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内で行えば要旨の変更とはみなされないのであり、補正事項の適否も、願書に最初に添付した明細書又は図面との対比により行われるものであるから、本件補正後の記載内容と直前補正の結果による明細書の記載との相違を指摘する被告の主張は、それ自体失当なものであって採用の余地がない。

    以上のとおり、本件補正事項が、当初明細書等の要旨を変更するとした本件決定の判断は誤りであるから、本件決定は、これを取り消すべきものといわなければならない。
 2 結論
    よって、原告の本訴請求は理由があるからこれを認容することとし、主文のとおり判決する。
   
      東京高等裁判所第3民事部

          裁判長裁判官  北  山  元  章
   
             裁判官  青  柳     馨
   
             裁判官  清  水     節