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ネットデリバリー社の情報配信特許
ビジネスモデル特許の事例

(C)1999.12 弁理士 古谷栄男
'99夏〜'99年末にかけて行った講演の配付資料に、最新情報を加えて、加筆訂正したものです。


(10)ネットデリバリー社の情報配信特許(特許出願1995年、話題1998年)

権利者など
 米国特許   USP 5,790,793
 権利者    NET delivery(米国)

特許の概要
メッセージ中にURLを埋め込んでおき、メッセージ受信側で当該URLにあるデータを取り込むシステムに関する特許



事件の概要
 権利者であるNET delivery社が、チャンネルのようにURLを使ったリモートの命令で情報を取得する仕組みは、我々の特許に関連するという旨の発言をしたことから話題となった。本件特許は、ビジネスモデル特許そのものとは言い難いが、本件特許を用いて電子商取引等のビジネスモデルを構築できることから、ここに取り上げた。
 なお、NET delivery社は、カナダの郵政省と「電子郵便局」の開発で契約を結んでいる。
 NET delivery社は、本件につき、日本へは出願は行っていない模様である(対応日本ファミリーなし)。

クレーム
1. A method of communicating between computers, comprising the steps of:
creating a message at a first computer, said message including a reference to a predetermined location;
transmitting, by the first computer, said message to a second location; and
receiving said message by a computer at the second location;
decoding said message by the computer at the second location by retrieving data from the predetermined location, automatically by a single application, without requiring user interaction, into the computer at the second location.

(参考訳)
1.コンピュータ間の通信方法であって、下記のステップを含  むもの:第1のコンピュータにおいて、予め定められた場  所への参照を含むメッセージを作成し、第1のコンピュー  タによって、上記メッセージを第2の場所に送信し、
  第2の場所にあるコンピュータによって、上記メッセージ  を受信し、
  ユーザが操作を行うことなく自動的に1つのアプリケーシ  ョンにより、前記予め定められた場所からのデータを、第  2の場所にあるコンピュータに取り込むことによって、第  2の場所にあるコンピュータによって上記メッセージをデ  コードする。(訳:古谷栄男)

(クレームの日本語訳は、発明内容を理解するための参考として付したものであり、古谷栄男の法的見解を示すためのものではありません。具体的事件等において、権利判断等を行う際には、弁理士、弁護士にご相談下さい。)

参考文献・サイト
ZDNetニュース「情報配信技術の特許を取得。ライセンス契約を狙うNET delivery」 1998.8.21

 


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この資料は、下記の著作権表示さえしていただければ、
複製して配布していただいて結構です(商業的用途を除く)。
(c)1999 Hideo FURUTANI / furutani@furutani.co.jp

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