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仮想部門と実在部門で解析するサービス業向けアメーバ経営システム
ビジネスモデル特許の事例

(C)1999-2020 弁理士 古谷栄男


(31)仮想部門と実在部門で解析するサービス業向けアメーバ経営システム(出願2010年、話題2012年)

権利者など
 日本特許   5224411
 権利者    京セラ・コミュニケーションシステム(株)

特許の概要
 コンピュータシステム「THE AMEBA」を用いて、アメーバ経営のコンサルティングを行っているKCCSマネジメントコンサルティング(株)(現在は京セラ・コミュニケーションシステム(株))によって取得された特許である。アメーバ経営(登録商標)は、京セラ(株)の創業者である稲盛和夫氏によって提唱され実践されている経営手法である。京セラグループ発展の原動力となっただけでなく、JAL(日本航空)再建に用いられ成功を収めたことでも注目された。
 本件特許は、製造業向けに発展してきたアメーバ経営システムを、サービス業向けに改良したものである。製造業向けのアメーバ経営システムでは、実際に存在する部門をアメーバとして、アメーバ毎に採算を解析している。これに対して、本件特許では、下図に示すように、実在部門(燃料本部、整備本部、運航本部・・・)だけでなく、これらを横断する仮想的な部門(路線1、路線2、路線3・・・)を横断的に設ける。このようにすることで、路線毎の採算を算出できるようにしている。
 JAL再建の際にもこれが用いられ、路線毎の採算を毎日出すことが、経営改革につながったと報じられている。


日本特許5224411の請求項
【請求項1】
複数の実在社内組織のそれぞれについて、業務提供または商品販売による収入データ、他の実在社内組織に対する協力対価データ、経費データ、収益データを含む第一の集計管理データと、前記複数の実在社内組織を横断するように構築された複数の仮想社内組織のそれぞれについて、業務提供または商品販売による収入データ、前記実在社内組織に対する協力対価データ、経費データ、収益データを含む第二の集計管理データと、前記仮想社内組織に対応づけられた収入データに対応して、前記仮想社内組織と前記実在社内組織との間での協力的売買の金額を決定する協力対価テーブルとを記録する記録部と、
前記仮想社内組織に対応付けられた収入データ、経費データを含む会計データを入力する会計データ入力部と、
前記仮想社内組織に対応づけられた収入データに対し、前記協力対価テーブルを参照して、前記実在社内組織の当該仮想社内組織に対する社内収入データを少なくとも含む協力対価データを生成する協力対価データ生成手段と、
前記入力された仮想社内組織に対応付けられた収入データ、経費データおよび生成された協力対価データを、前記実在社内組織毎に集計して収益データを算出し、第一の集計管理データを生成し、前記入力された仮想社内組織に対応付けられた収入データ、経費データおよび生成された協力対価データを、前記仮想社内組織毎に集計して収益データを算出し、第二の集計管理データを生成する集計管理データ生成手段と、
を備えた経営管理装置。





関連文献・サイト
稲盛和夫 OFFICIAL SITE

   

 


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