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知的財産権(特許・商標・著作権)の基礎講座
(C)1991.12-1997.7  弁理士 眞島宏明

2.2商標調査をする
(1) 他社の権利を侵害しないかどうか
 自社内で新しい商品名やサービスマークを考える場合、不用意に商標を決定してしまうと、後になって、その商標についてはすでに他人が商標権を取得していた、ということにもなりかねません。そして、商標権者からの侵害警告を受け、その段階で初めて他人の権利の存在に気付くというのが一般的なケースです。

 また、自社の商標があまり有名でない間は、権利者も侵害警告は出してこないことが多いようです。つまり、権利者が侵害警告を発するのは、自社の商標がある程度の知名度を得ている場合が多いのでやっかいです。宣伝広告に莫大な費用を使い、ようやく有名にしたと思った矢先に商標を変えなければなりません。そして、これと共に商標を印刷したカタログや製品パッケージなども破棄しなければなりません。

 もちろん、このようなとき、商標権者に使用許諾を求めたり、商標権の譲渡の交渉をすることも考えられます。しかし、商標権者が必ずしもこれに応じてくれるとは限りませんし、仮に応じてくれたとしても使用許諾料や譲渡料の費用を支払わなければなりません。

 このような事態を回避するため、カタログなどを作成する前に商標調査を行い、他人の商標権侵害とならないかを事前に調べておく必要があります。ただし、商標調査に完全を期すことは困難ですから、基本的には、次に述べるように、自社が使おうとしている商標について商標権を取得した後に、その商標の使用を開始するのが大原則です。

(2) 自社が積極的に商標の出願をしようとする場合にも商標調査をする
 商標調査の結果、自社が使おうとしている商標が他社によって登録されていないことが判ったとします。

 同じような商標を他社が出願、登録していないということは、見方を変えれば自社が商標権を得る可能性があるということです。したがって、このような場合は、さらに進んで自社が積極的にその商標を出願し権利を取るべきです。仮に、後になって他社がその商標を登録した場合、やはり他社の権利を侵害していることになります。たとえこちらが先に使っていても、登録していなければ独占権は認められないからです。

 このように商標調査の結果、他社が出願、登録していないことが判った場合は、できるだけ早く自社が積極的に商標の出願したほうが良いでしょう。そして、商標登録を得てから、その商標の使用を開始することが好ましいでしょう。

(3)どのようにして商標調査は行われるのか
 商標調査については、データベースを用いて行うのが一般的です。このデータベースを使って調査すれば、他人がその商標を先に出願や登録していないか知ることができます。
 特許庁では、インターネットを通じて、商標出願・登録のデータベースを無料開放しています。このデータベースを使用すれば、同じ名前の商標が既に出願や登録されているか否かを簡単に知ることができます。ただし、類似する商標について、既に出願や登録がされているかどうかまでは、検索することができません。
 類似商標まで含めた本格的な調査は、BRANDY(連絡先:潟uランディー・インターナショナル)などを用いて行います。

 したがって、自社にBRANDYなどの本格的なデータベースを使用するための契約端末を持っていない場合には、次のような手順で、商標調査を行うのが、費用的にも時間的にも効率的でしょう。
 まず、使用する予定の商標の候補を複数リストアップします。次に、各候補につき、特許庁のデータベースを使って同一の商標について、他人が出願や登録をしていないかを検索します。同一の商標について、他人が出願・登録をしていない候補についてのみ、弁理士や(社)発明協会等に調査の依頼をします。弁理士は、BRANDYなどのデータベースを用いて、類似範囲まで含めた調査を行います。
 なお、データベースには一定のタイムラグなどがありますし、調査漏れが生じる場合もありますので、常に100%の結果を得ることはできません。したがって、商標調査によって、類似する他人の商標が見つからなかったといって、その商標をすぐに使用開始することは危険を伴います。安全を期すのであれば、その商標について出願をして登録を受けてから使用すべきです。

 米国の商標については、米国特許庁がインターネット上でデータベースを無料開放しています。

 

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1.商標登録のメリット | 2.商標調査をする

3.商標出願をする | 4.ソフトウエアと商標

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